牛乳 生産基盤弱体化 今夏猛暑なら… 品薄?(日本農業新聞)



 今夏、牛乳の品薄を心配する声が強まっている。中でも沖縄県では生乳生産量が過去30年間で最も少ない水準で推移する一方で、猛暑が予想されている。近年は乳量が減る夏場に乳業メーカーが商品出荷を制限しており、今年も不安が大きい。酪農経営が減った影響で、学校給食の牛乳を一時的に加工乳に変えるケースも出始めた。東北など都府県でも生乳生産量が減少傾向にあり、夏場の生乳逼迫(ひっぱく)を懸念する声も出ている。(塩崎恵、松本大輔)

離農、F1飼養増加響く 沖縄

 農水省の牛乳乳製品統計によると、沖縄県の2017年の生乳生産量は2万4758トン。前年を4%下回り、直近のピーク時(2000年)と比べ4割少ない水準だ。

 県酪農協は「高齢化などの影響で離農が進んでいる」と説明。乳用牛に黒毛和種の精液を付け肉用の交雑種(F1)を生産する酪農家が増えていることや、乳用牛が高騰していることも響いている。対策として既存農家の規模拡大などを後押しするが、「今年も夏場の不足が心配だ」という。

 生乳不足の影響は、乳業や給食、小売りなど多方面に広がる。西原町の沖縄森永乳業は「夏場の生乳不足は年を追うごとに厳しさを増している」と説明。「需要があるのに商品出荷を制限せざるを得ない」と対応に苦慮する。例年、九州から生乳を移入して急場をしのいでいるが「九州でも生乳が不足している上、移入すれば輸送費がかさむ。夏場は台風が発生しやすく到着しないリスクもある」と頭を悩ます。

 夏場に限らず牛乳の確保が難航する事態も生じ始めた。離島の宮古島市では今年、島内で唯一、酪農を営んでいた業者が廃業。そのあおりで、市内33の小・中学校が2月から給食の牛乳を加工乳に変更した。保護者らの要望を受け、4月には本島から運ぶことで牛乳の提供を再開したが、県全域で生乳が不足する中、継続できるか心配する向きもある。

 生協のコープおきなわは16年、主力商品「コープおきなわ牛乳」の商品名を「コープ牛乳」に改めた。「将来的に県産の原料だけで製造できなくなる恐れがある」との不安が背景にあるという。

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