八百屋さん?レストラン? 新鮮野菜その場で料理 食の情報発信拠点に(日本農業新聞)



 野菜や果実を買うだけでなく、農産物を使った料理をその場で食べることができる“八百屋レストラン”が活況だ。人気シェフが店内で腕を振るったり、生産者と消費者との交流の場を設けたりと、農産物の魅力を直接伝える青果店ならではの方法で生産者を後押しする。青果店が年々減少する中で、おいしい料理や情報を提供して付加価値を向上させ、他業態との差別化や国産農産物のPRにつなげている。(齋藤花)

国産振興後押し 規格外活用も 東京都台東区に「OKATTE」オープン

 東京都台東区に3月にオープンした「OKATTE(おかって)」は国産有機野菜などを販売する青果店だ。店の奥に併設したクッキングスペースでは青果物を使ったランチを提供する他、生産者やシェフを講師に招き、消費者向けの料理教室や食のイベントを開く。

 初の企画「熊本野菜を食べる会」には、都内の20~50代の女性5人が参加。港区のイタリア料理店のシェフ、中村嘉倫さん(44)が調理するフダンソウのソテーなど、県産野菜を堪能した。フダンソウを栽培する熊本市の農家の西孝弘さん(55)も駆け付けた。

 「どうやってこんなに大きくておいしい野菜を作るのですか」などの質問に、西さんは土壌改良など技術を明かし、「交流できてうれしい」と笑顔を見せた。

 同店は、農産物のブランド化などを支援するジャパン・アグリ-カルチュア・マーケティング&マネジメント(JAMM)が運営する。齊藤幸男代表は「生産者、料理人、消費者など食に関わる人が集まって交流し、情報交換すれば農業振興になる」と語る。参加した東京都国立市の会社員、大貫恵子さん(59)は「食事をしながら生産者やシェフにレシピまで教えてもらえた」と喜び、帰り際に店頭のフダンソウを購入した。

 併設レストランで地元農家の規格外野菜を有効利用する青果店もある。九州産青果物をインターネット販売する大分市の石川青果は、今年2月に同市長浜町に「八百屋レストラン洗濯船」をオープンした。13人収容の店でディナーを提供。店頭では昼間に日替わり弁当と野菜も販売する。

 ディナーは毎日満席。約30種類の青果物を使う日替わり弁当は予約制で、多い日は約100食も出る。果実のデザートをレストランで食べた直後に、同じ生産者の贈答用果実を注文する消費者も多い。調理を手掛ける店主の横山田吾作さん(49)は「形は規格外でも味の良い果実はデザートに使える。農家あっての小売業だから、生産を後押ししたい」と意欲的だ。

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