三日天下のサムスン 中国での携帯シェアついに0%台(SankeiBiz)



 中国における携帯電話の変遷は実に目まぐるしい。当初は欧米勢がほとんど市場を独占していたが、そこに割り込んできたのがサムスン電子などの韓国勢だった。しかし韓国勢の優勢も三日天下に終わり、中国の国産メーカーがいつのまにか市場を圧倒してしまった。

 かつて北京に新聞記者として駐在していたころ、最も苦労したのは電話回線の確保だった。ホテルなど外部から本社に電話しようとすると、回線数が限られているので、なかなかつながらなかった。

 そんな中で1980年代末に中国でも携帯電話が使えるようになり、わが社はいち早く購入した。機種はモトローラ製で、いまのスマートフォンとは似ても似つかない形をしていた。重さは1キロ近くあったろうか。それでも遠出をしたときなどには威力を発揮して、同業他社から大いにうらやましがられたものである。

 一般に普及してくるのはその10年後である。2000年代に入ると、ユーザーは1億人を超え、その後も勢いは止まらなかった。機種はモトローラ、ノキアなど欧米系が圧倒していた。そこに割って入ってきたのがサムスン電子である。12、13年には連続してシェアでトップに立った。ピーク時には約20%のシェアを確保していた。

 ところが14年には早くも小米という国産メーカーにトップの座を奪われてしまう。その後も国産メーカーの台頭は目覚ましく、昨年のトップ3は華為技術(ファーウェイ)、OPPO(オッポ)、vivo(ビボ)である。外資系で何とか踏みとどまっているのは米アップルくらいなものだ。

 サムスン電子のシェア下落は止まらず、ついに昨年には0%台にまで落ち込んでしまった。深センにあるサムスン電子の関連工場では、従業員全員を解雇することを決め、撤退準備に入ったというニュースも飛び込んできた。

 サムスン電子にとって、「ギャラクシーノート7」の発火事故や在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題が逆風になったのは確かだろう。だがそれ以上に国産メーカーの台頭による影響が大きかった。

 もっとも国産メーカーも製品の質が外資系を上回っているわけではない。価格の安さやアフターサービスの良さが勝っているに過ぎない。

 中国国内市場もさすがに飽和状態に近づいており、昨年の出荷台数は前年を下回った。外資系を駆逐したと手放しでは喜べない。(拓殖大学名誉教授・藤村幸義)



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