ビッグデータで進化するWASHハウスのコインランドリー(日経トレンディネット)



 TREND EXPO TOKYO 2017の「成功のケーススタディー」で、自らの成功体験を語ってくれたのが、コインランドリー界に新風を巻き起こし、全国に462店舗を構える「WASHハウス」の代表取締役社長・児玉康孝氏だ。40分の公演に、200枚ものスライドを用意。成功の秘訣を出し惜しみすることなく伝えた。

【関連画像】WASHハウス 代表取締役 児玉康孝氏

 「私は今年で52歳を迎えます。大学卒業後は証券会社に勤務、その後ファストフード店に転職。さらに30歳から35歳までが不動産会社。そして36歳になるタイミングで今の会社を立ち上げました」

 創業16年目を迎えたWASHハウスは昨年、株式上場するまでに成長。「上場して野村證券に行ったときに、証券マンの方々が拍手で迎えてくれたんです。元証券マンだからでしょうか、そのときはうれしかったですね」。

●成功のキーワードは“ビッグデータ”

 「当社はいままで店舗展開してきた中で、売り上げ不振による撤退というのは1店舗もありません。これはコインランドリー事業としては驚異的なことだと思っています」と話す児玉氏。

 ポイントとなるはビッグデータだ。WASHハウスでは、各店舗の1台1台の洗濯機や乾燥機の状況を取集して、本部で管理している。「洗濯機1台1台が何時何分にどれだけの利益を生んだかもきっちりと把握できます。この高い精度を秘めたデータこそが、当社の一番の強みだと思っています」と語る。

 蓄積してきたさまざまなデータは、新店舗の展開など意思決定するにあたって高い信頼性を持っているという。これが16年間成功を続けられた理由という。

 当初、会社立ち上げにあたって貯金がほとんどない状況で、何ができるかを必死に考えたという児玉氏。さまざまこと考慮した結果、コインランドリー事業のFC展開がベストだと思ったという。

 「コインランドリーは100人いたら3人が使うというデータがあります。しかし今はアレルギー疾患者の増加やPM2.5の問題などで、利用者はさらに増えてきている。実際、店舗をつくるとその地域からお礼状が送られてくることもあるんですよ」と、コインランドリー事業の将来性の高さを、顧客の反応を交えて語ってくれた。

 さらに「コインランドリーは日本最大の店舗数を持てるビジネスだと思っています。それはコンビニよりも小さいスペースで経営できるから。さらに洗濯だけでなく、情報発信の基地になるような空間も目指しています。いずれは洗濯を無料化して、洗濯している間に近くのベーカリーやスーパーで使えるクーポンを発券して買い物を楽しんでもらう。情報を交換できるような場所づくりができればコインランドリーの立ち位置も変わっていくのではないかと思っています」。

 さらに話は海外にまで広がる。

 「海外展開も視野にあります。実は、海外のどこの国にもコインランドリーってあるんですよ。もちろん世界中どこを見ても洗濯しない国はないですし、実際、世界には20万店舗ほどのコインランドリーがあります。その市場を設計できたら面白いと思っています」と展望を語った。

 ひとり暮らしで洗濯機が無い人が行く場所、梅雨時期の乾きにくい洗濯物を乾かしにいくところ――。そんな従来のコインランドリーのイメージは大きく変わりつつある。洗濯だけでない“選択”ができる場所、そんな新しいコインランドリーの実現に期待したい。

(文/片山祐輔)



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