ロータス・エリート 世界初のFRPモノコックボディー あの時代を駆け抜けたクルマたち(日経トレンディネット)



5/18(金) 8:00配信

日経トレンディネット

日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2007年12月13日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

【関連画像】典型的なスポーツカーの佇まいを見せるインテリア。乗り込むと同時に、FRPの香りがあたりを包み込む。全体に軽量な印象が走りにも現われる

●世界初のオールFRPモデル ロータス・エリート

 ロータスというブランドは、誕生以来今日までつねに独自のポジションにある。生産台数でいったら採るに足らない小メーカーであるが、もう半世紀以上そのブランドを保ちつづけているのは、もはや自国の資本によるブランドがほとんど存在しない英国にあって、際立っている。

 レースが好きでアイディアマンでもあった、コーリン・チャプマンという人物の立志伝のようにしてロータス社は誕生し大きくなっていったのだが、その初期の作品のひとつがこのロータス・エリートである。のちに、その名前を復活させたモデルも登場したことから、クルマ好きをはじめ一般には敬意を込めて「オリジナル・エリート」と呼ばれる。

 このエリートの注目すべき最大のポイントは、1950年代に早くも当時の新素材、FRPでつくられていることだ。それもボディだけでなく、シャシーまでがFRP製という、世界で初のオールFRPモデル。それを実現するためには、数多くのプロトタイプによる試作、修正が加えられたという。

軽く強靭なボディシェル

 ボディは大きく3つのブロックに分けられた。基本的なボディシェルを構成するアッパー・ボディ。これには前後左右4つのフェンダ、ルーフ、リアのラゲッジ・ルームまでを含む。ほとんどそれと同じサイズのアンダー・ボディ。フロアパン部分と4つのホイール・ハウス、そこにはサスペンションを受ける金属製のサブ・フレームが埋め込まれた。そして3つめはエンジン・ルームとドア・シル部分、ラゲッジ・ルーム内側をひとブロックにしたもの。大きなブロックのほかに、フロント部分の小さなスペア・パーツが用意されたのは、事故などの際の修理用として有用であった。これらのブロックは、エポキシ樹脂接着剤によって、強固に一体化され、軽く強靭なボディシェルを形づくった。

 現代の標準からすれば、FRPボディなど特別書き立てるほどのことではないかも知れぬが、それを世界に先駆けていち早く実現した手腕は、エリートをして、世界中からの注目を集め、同時にロータス社の名を広めるエポック作品にさせたのであった。1957年のロンドン・ショーのロータスのブースはちょっとしたセンセイションだった、という。

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