野州たかむら 3度の災害から再稼働 飴製造で全国展開目指し商品企画力を強化 栃木・茂木(産経新聞)



 水害、地震、竜巻と3度の自然災害で大きな被害に遭いながらも、その都度克服してきた栃木県茂木町のあめ・キャンディー製造、野州たかむら(小崎和江社長)は自社ブランド商品の開発で全国展開を目指す。県の「とちぎ産業振興プロジェクト現場改善派遣事業」で業務改善の指導を受け、生産性を向上させてきた。県庁で22日、その成果を発表する。(松沢真美)

 ●自社ブランド開発

 同社は小崎社長の父が昭和50年に創業。取引先のブランド商品を手がける「OEM」で、べっこうあめやチョコレート菓子などを製造してきた。

 OEMを主力とし、さまざまなキャラクター商品など製造してきたが、数年前から自社ブランド商品の開発にも力を入れてきた。

 素材を厳選し、着色料や香料を使わないべっこうあめシリーズなどを開発。販路開拓に重点を置き、東京などの展示会に積極的に出展してきた。

 今後、東京都内にショールームを兼ねた営業拠点を構える方針。販路開拓と共に商品企画力を強化し、自社ブランド商品の全国展開を目指す。

 ●30年間で3度被災

 小崎社長は父、母に続く3代目。茂木町で大きな被害をもたらした自然災害では、工場などが大きな被害を受け、操業停止と再稼働を繰り返した。

 昭和61年8月の台風10号では、台風から変わった低気圧の接近で大雨となり、逆川が氾濫。茂木町中心部では町役場が2メートル近い浸水で機能が完全に失われた。このとき水没した工場は移転。鉄筋コンクリート3階建ての工場を建設し、あめ・キャンディー専門に再稼働した。

 平成23年の東日本大震災では、工場内の壁が割れるなど被災。約3カ月で再稼働にこぎつけ、24年3月に小崎社長が3代目を継いだ。1年をかけて建て直した工場だったが、今度は竜巻の直撃を受けた。

 同年5月、ゴールデンウイーク最終日。窓ガラス90枚が砕け、天井に穴が開いた。小崎社長は「一瞬にして廃虚のようになってしまい、さすがにもうやめようかと思った」と振り返る。

 それでも従業員や友人たちの協力があり、工場を再建。「海外にはない品質と技術力を持っている会社と再確認でき、乗り越えることができた」

 ●改善に取り組み

 文字通り会社を“建て直し”、取り組んできたのは自社ブランドの開発。新たなニーズの開拓にもつながり、県のプロジェクトによる生産性向上にも取り組んだ。日産自動車の改善の専門部隊、NPW改善コンサルティング室の尾崎和仁さんの指導を受け、一歩ずつ改善に取り組んだ。その結果、生産性は35%も向上するなど成果は上々。22日の報告会で発表する。

 小崎社長は「どんなあめでも作れる技術がある。商品を通して最高の感動を届けたい。世界を見据え、まずは全国展開を目指す」と意欲を燃やしている。

 ■会社概要 本社=茂木町茂木181の1、(電)0285・63・1730▽設立=昭和50年9月▽資本金=2千万円▽従業員=25人▽事業内容=菓子製造業。キャンディー、キャラメルソースの製造・販売

 おざき・かずえ 城西大理学部卒業後、家業に就業。平成24年3月に3代目社長に就任。26年からオリジナル商品を開発、オリジナルキャンディーブランド「AMER(アメール)」を立ち上げる。59歳。茂木町出身。



Related Post



コメントを残す