GDP、9期ぶりマイナス 停滞一時的、貿易摩擦・原油高など海外にリスク(産経新聞)



 ■小売業は警戒

 内閣府が16日発表した平成30年1~3月期の実質GDP速報値は2年3カ月ぶりのマイナス成長となった。ここ最近続いたゆるやかな景気回復の流れに一服感が出た格好だが、1~3月の停滞は天候不順の影響といった一時的なものとの見方が強い。ただ、米中貿易摩擦や中東情勢の緊迫化に伴う原油高などのリスク要因もあり、個人消費の回復を期待する小売り関連業界には警戒感も広がる。

 「はっきり言って消費者の財布のひもは固いまま」

 居酒屋チェーンを展開するワタミの清水邦晃社長は、足元の個人消費の状況について、こう説明する。

 実質GDPの内訳をみると、外需が0・1%プラスに寄与する一方、内需が0・2%押し下げており、9四半期ぶりマイナス成長の大きな原因だ。とりわけ、GDPの6割を占める個人消費が力強さを欠いたのが響く。野菜やガソリンなど身の回り品の値上がりで家計の節約志向が進み、飲食サービスへの支出も減った。

 だが、米国の減税効果などで世界経済は今後も拡大が見込まれ、民間エコノミストの間ではマイナス成長は一時的なものとの予測が多い。大手百貨店幹部も「個人消費の動きが弱いとは思っていない。中所得層に“節約疲れ”も出てきている」と指摘する。

 気になるのは、米中貿易摩擦や原油価格高騰などの海外リスクだ。資源エネルギー庁が発表した今月7日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は約3年5カ月ぶりの高水準。消費者の節約志向が続くことを見据え、食品などの各社は「これまでにない商品提案を進める」(味の素の西井孝明社長)とサービス充実で乗り切る方針だが、消費者の可処分所得にも限界がある。

 茂木敏充経済再生担当相は16日の記者会見で「個人消費が重要なことは十分認識しており、景気が緩やかに回復しているとの認識に変わりはないが、一層の取り組みが必要だと思っている」と強調した。強靱(きょうじん)な日本経済の構築に向け、生産性向上や人材投資、社会保障改革などを着実に進める必要がある。(桑原雄尚)

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