「ササニシキ」直系銘柄「ささ結(むすび)」 “東の横綱”復権 知名度向上へ しゃりすし需要で脚光 宮城県大崎市など(日本農業新聞)



 宮城県大崎市やJA古川、JAみどりの、JAいわでやまなどでつくる「大崎の米『ささ結(むすび)』ブランドコンソーシアム」のブランド米、「ササニシキ」直系の「ささ結」の需要が高まっている。あっさりとして適度な甘味や心地よい粘りがあり、酢飯に合う特性が受け、東京や宮城県の地元のすし店が高く評価している。東京の米穀店では2017年度、すし店への供給量が販売当初の15年度より5倍以上に拡大。一層の需要拡大を狙う。

消費地にじわり浸透

 「すしはしゃりが命。あっさりしていて口の中でほぐれる食感がたまらない。香り、つや、歯応えともに申し分ない」。宮城県大崎市のすし店「君鮨(ずし)」の代表、千葉君夫さん(69)の評価は高い。15年度から「ささ結」を扱う。職人がその品質に魅了されている。

 「ささ結」は、「ササニシキ」を親に持つ水稲品種「東北194号」の愛称。倒伏しやすい「ササニシキ」の栽培特性を克服した。「東北194号」のうち、追肥をせず、玄米タンパク含有率6・5%以下を満たし、JAの環境保全米などを取得した米が認証される。認証面積は、同品種生産の8、9割に上る。

 同コンソーシアムは、「ささ結」のすし需要を狙い、国内外へのPRに力を入れる。世界各国のすし職人が腕前を競う「ワールドスシカップジャパン」のしゃりや土産品として15年度から「ささ結」を提供。17年度には「ササニシキ」や「ささ結」で最も優れた米を出品した農家を決める「ささ王」決定戦を初開催するなど、知名度向上に力を入れる。

 「世界農業遺産に認定された市の特産品として、料亭にも売り込みたい。かつて東の横綱と称されたササニシキの振興につなげたい」(同市農林振興課)と話す。

 18年度の「東北194号」の生産面積は110ヘクタール。本格化した15年度の3倍以上に拡大した。

 消費地、東京でも徐々に浸透している。「しゃりに酢がなじみやすく、程よい甘味や粘りが楽しめる。粒がつぶれにくく握りやすい」。東京・吉祥寺第一ホテルのすし店「一寿(ず)し」の板長、白須聡さん(37)は説明する。17年秋から、しゃりに使う米のほぼ全量を「コシヒカリ」から「ささ結」に切り替えた。今後も使い続ける方針だ。

 東京都世田谷区の米店、水島米穀は、都内のすし店に「ささ結」を供給する。17年度の販売量は約4トン。販売を始めた15年度と比べ、5倍以上に拡大した。取引するすし店は、17年度に新たに3店舗加わり、合計で5店舗に上った。

 同社は「20年以上前に使っていたササニシキの味を懐かしみ、同系のささ結に切り替える動きが出てきた」(販売営業部)とし、今後も売り込みを強める方針だ。(海老澤拓典)

日本農業新聞



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