対中ビジネスに追い風 スワップ協定、早期再開で合意(産経新聞)



 日中両首脳が金融危機時に互いの通貨を融通し合う通貨スワップ協定の早期再開を含む金融協力で合意し、日本企業や機関投資家の中国ビジネスに追い風が吹きそうだ。人民元が安定的に調達できる環境が整うことで、現地企業との取引拡大につながる。ただ、日中関係が悪化すれば規制が再び強まる恐れがあるなどチャイナリスクは拭えない。
 スワップ協定では、市場で元を調達できなくなる緊急時に、日銀が中国人民銀行(中央銀行)から元を受け取って邦銀に供給し、人民銀は交換で日銀から円を受け取る。中国でビジネスする金融機関や企業の資金繰り悪化を防ぐのが狙いだ。
 日中の通貨スワップ協定は両国関係の悪化で平成25年に失効したが、金融危機時の対応は、日中韓とASEANによる多国間のスワップ協定で可能との指摘もある。ただ、日中通貨スワップ協定が再開すれば、両国関係の雪解けをアピールする効果がありそうだ。
 一方、日本企業にとっては日中の金融協力が幅広く進むことへの期待が大きい。
 日中はこの日、日本国内で元取引を決済できる銀行の設置や日本の機関投資家が中国本土の株式や債券に元建てで投資できる3兆4千億円規模の枠の新設でも合意した。大手銀首脳は、「国境を越えた元取引が可能になり、海外勢と互角に戦える土俵が整った」と、一連の金融協力を歓迎する。
 日本企業の中国本土での元建て債券(パンダ債)発行も昨年末に解禁された。
 とはいえ、大和総研の斎藤尚登主席研究員は「中国は資金流出を防ぐため元の国際化といいつつ規制を強化してきた。市場開放が続くと楽観しないほうがいい」と指摘する。(田辺裕晶)

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