武田薬品、巨額買収で「健全な財務維持できる」(産経新聞)



 武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長は9日、東京都内で記者会見し、8日に合意を発表したアイルランド製薬大手シャイアーの買収について、「研究開発主導型でグローバルなバイオ医薬品のリーディングカンパニーになる」と意義を強調した。日本企業の海外企業買収として過去最大の案件には武田の財務悪化につながるとの声もあるが、ウェバー氏は「(買収後も)健全な財務を維持できる」と自信を示した。
 武田は買収に約460億ポンド(約6兆8千億円)を投じる計画で、現状で1兆1千億円を超える有利子負債が大幅に膨らむ見通しだ。また買収に伴う大量の新株発行で、既存株式の価値が下がることへの懸念もあり、9日の武田株は前日比109円安の4529円で取引を終えた。
 ウェバー氏は有利子負債について「(一時的に現在の)4~5倍となるが、2倍レベルまで急速に下げる。自信がある」と強調。配当政策も変えないとした。このほかグローバル化の加速に伴い、本社を日本から海外へ移すとの見方を否定し、「本社は日本から移さず、将来も日本企業であり続ける」と断言した。
 一方、今回の買収の意義については「グローバルな医薬品のリーダーになるための大きなステップ」と説明。「これまでの戦略を変更するのではなく、加速のために行う」と述べ、過去に手掛けた大型買収と基本的な狙いは変わらないことを強調した。
 武田はがんと消化器系疾患、精神神経系疾患を重点3領域としてきた。ウェバー氏は、シャイアーが加わることで「治療領域の補完的効果が期待できる」とし、「(消化器系疾患と精神神経系疾患の)2つが強化され、さらに希少疾患が加わる」とした。また、売上高の6割超を最大市場の米国が占めるシャイアーの取り込みで、「地理的にもパーフェクトなバランスになる」と訴えた。
 会見には社外取締役で取締役会議長を務める坂根正弘コマツ相談役も同席。「経営陣が一枚岩になれば非常に大きな企業価値を実現できる」と述べた。

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