日中、スワップ協定再開合意 日系企業や機関投資家に追い風(SankeiBiz)



 日中両首脳は9日、金融危機時に互いの通貨を融通し合う通貨交換(スワップ)協定の再開を含む金融協力で合意した。日本企業や機関投資家の中国ビジネスに追い風となり、元が安定的に調達できる環境が整うことで現地企業との取引拡大につながる。ただ、日中関係が悪化すれば規制が再び強まる恐れがあるなどチャイナリスクは拭えない。
 スワップ協定では、邦銀が市場で人民元を調達できなくなる緊急時に金融機関や企業の資金繰り悪化を防ぐため、日銀が中国人民銀行から元を受け取って邦銀に供給し、人民銀は交換で日銀から円を受け取る。2013年に失効して再開されずにいた。
 危機対応面では日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)による多国間のスワップ協定で対応可能との指摘もある。だが、02年の締結を機に日銀が北京事務所を開設するなど日中間金融協力の象徴的な案件とされており、悪化した両国関係の雪解けをアピールする効果がありそうだ。
 一方、日本企業にとってはスワップ協定の再開に合わせ広範な金融協力が進むことへの期待感が大きい。
 日中はこの日、日本国内で人民元取引を決済できる銀行の設置や日本の機関投資家が中国本土の株式や債券に投資できる枠の新設でも合意。大手銀首脳は「国境を越えた人民元取引が可能になり、海外勢と互角に戦える土俵が整った」と一連の金融協力を歓迎する。
 日本企業は、国際機関や欧州企業などが認められていた人民元建て債券(パンダ債)発行すら昨年末解禁されたばかり。後れをとった人民元ビジネスの巻き返しが課題だ。
 とはいえ、人民元の安定調達が重視されるのは制度変更で資金調達が難しくなるリスクの裏返し。大和総研の斎藤尚登主席研究員は「中国は資金流出を防ぐため人民元の国際化といいつつ規制を強化してきた。市場開放が続くと楽観しないほうがいい」と指摘する。(田辺裕晶)

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