米原油先物、一時71ドル台 イラン核合意離脱で高値(SankeiBiz)



 トランプ米大統領がイラン核合意から離脱し経済制裁を再開すると表明したのを受け、9日朝の米原油先物相場は指標の米国産標準油種(WTI)6月渡しが一時1バレル=71ドル台に上昇して2014年11月下旬以来約3年5カ月ぶりの高値水準をつけた。原油高が続けば、コスト増で企業活動の足かせとなるほか、家計にも逆風となりかねず、日本経済への影響が懸念される。
 9日の東京商品取引所の原油先物相場も上昇し、指標価格は今年の高値を更新。1キロリットル当たり前日比730円高の4万8380円で取引を終え、15年6月以来の水準に上昇した。
 堅調な世界景気や、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国による協調減産を背景に、原油価格はもともと上昇傾向が続いていた。こうした中で米国のイラン核合意からの離脱観測からイラン産原油の供給減懸念や中東情勢の先行き不透明感が意識され、WTIは上昇ピッチに拍車がかかっていた。
 石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之主席エコノミストは「短期的には原油価格を下げる要因は見当たらない」とした上で、「将来的には需給の引き締まり感が強まり、WTIは1バレル=75ドル方向に向かう。今後、中東情勢が全体的に不安定化すれば1バレル=75ドルを超える可能性も否定できない」とみる。
 一方、米国の原油生産量も増えており、「原油価格が一本調子に上昇していく公算は小さい」(三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト)との指摘もある。
 原油高は、エネルギー関連企業にとっては販売価格の上昇などで追い風となる。一方、運輸業では燃料費がかさんで収益圧迫要因になる。原材料として用いる一部の製造業でもコスト増要因で、長びけば自社の製品価格に転嫁される恐れがある。資源エネルギー庁が9日発表した7日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、前回調査に比べ40銭高い145円90銭。3週連続の値上がりで、14年12月以来の高値水準だ。来週発表分も値上がりするとの予想で、賃金が伸び悩む中で家計にとっては痛手だ。(森田晶宏)

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