三越伊勢丹、黒字浮上でも残る「3つの不安」(東洋経済オンライン)



5/10(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 「大幅な賃金カットが実施された状況下で、社員のモチベーションは下がっている。今後どうやって社風をよくしていこうというのか」。ある社員はそう嘆く。

【図表】三越伊勢丹の営業利益は回復傾向だが・・・

■構造改革の真っただ中

 百貨店首位の三越伊勢丹ホールディングス(HD)は5月9日、前2018年3月期業績の結果と今2019年3月期の見通しを発表した。前期は売上高1兆2688億円(前期比1.2%増)、営業利益244億円(同2.0%増)と営業利益ベースで微増益を確保したが、不振店舗の減損損失を計上した結果、当期純利益は9.6億円の赤字となった。最終赤字は2010年3月期以来8期ぶりとなる。

 今期は売上高1兆1950億円(前期比5.8%減)、営業利益290億円(同18.8%増)、純利益130億円(同139.6億円のプラス)を見込む。不採算事業の清算などで売上高は目減りする一方、構造改革の成果で純利益ベースでは黒字を回復する。

 「事業構造改革の主なものは昨年度の段階で終えた。まだ積み残した課題はあるが、今年度中に全てメドをつけたい」。三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長は9日に行われた決算説明会の席上でそう語った。

 同社は目下、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を進めている。事業構造改革を徹底し、収益体質を強化したうえで成長戦略に着手する方針だ。その構造改革は「想定以上に進んでいる」(杉江社長)という。

 まず不振だった伊勢丹松戸店(千葉県松戸市)を3月に閉店。同じく3月に、赤字を垂れ流していたスーパー「クイーンズ伊勢丹」の運営子会社株式66%を投資ファンドに売却した。大幅赤字だったアパレル子会社のマミーナも今期中に清算手続きを終える。さらに、これまで持ち越してきた売価にして100億円もの不良在庫を前期に一掃した。

 売り上げの面でも、日本一の売り上げを誇る伊勢丹新宿本店は訪日客需要の取り込みが順調で、好調を維持している。こうした状況を踏まえると、同社の業績は一見回復しているように映る。とはいえ、決算の内容をつぶさに見ると、いくつかの不安要素が見えてくる。

■「早期退職の人数は想像できない」

 1つ目はリストラの不徹底だ。同社は既存の早期退職制度である「ネクストキャリア制度」を拡充し、従来よりも退職金額を大幅に積み増して人員削減を進めている。ところが、前期からの3年間で800~1200人の人員削減を想定しているが、前期の応募はわずか180人。今期は上期(2018年4月~9月期)と下期(2018年10月~2019年3月期)の2段階にわけて募集する計画だが、どれだけの人数が応募してくるかは現時点では不透明だ。

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