トヨタ、取引時間に決算開示 18年3月期きょう発表 慣例に一石(SankeiBiz)



 トヨタ自動車は9日、2018年3月期決算の開示を東京株式市場の取引時間中に行う。上場企業の7割超が午後3時以降と、取引終了後の発表が慣例化しているが、機関決定から発表までの時間差が「適時開示」の原則に合わないことや、決算内容を踏まえた東証での売買が翌営業日になるという問題点も指摘される。トヨタの開示時刻変更を受けて今後、取引時間中の発表が増える可能性もある。

 トヨタの開示は午後1時25分を予定。例年は3時で、取引時間中の発表は初めてとみられる。1時半から2部構成で説明会を開催。決算内容を説明する第1部に続き、第2部では豊田章男社長が事業全般について話す。従来の約2倍の90分を費やす予定で、トヨタは「時間をかけて詳しく説明するため」としている。

 東京証券取引所によると、4月27日以降に18年3月期決算を発表する企業で開示時刻を連絡していた1968社のうち、午後3時以降が73%に相当する1437社を占める。発表を受けて株価が荒い値動きになることを避けるためとみられる。

 ただ、「取引終了後ありき」の情報開示は問題もはらむ。東証は上場企業に「重要な会社情報の迅速な開示」を要請している。インサイダー情報の漏洩や、多くの企業の発表が一定の時間帯に集中することを回避するためだ。だが実際は、朝の取締役会で決算内容を承認しても、午後3時以降に発表する会社が多いとみられる。東証などを傘下に持つ日本取引所グループは先月、正午に決算内容を開示した。

 市場関係者からは「決算の内容を踏まえた売買が(日本時間の夜に取引が始まる)米国で先に行われてしまう」と問題視する声も上がる。これは14年に東証が「夜間取引」を検討した際、実施すべき理由としても挙げられた。先月、午前8時20分に開示した松井証券は「取引が始まる前の発表が投資家にとって望ましいと判断した」という。

 米国などでは取引時間中の発表は一般的。東証で終了後に集中するのは「企業の横並び意識によるものだ」(市場関係者)という指摘もあるだけに、トヨタの取り組みは一石を投じそうだ。(高橋寛次)

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