武田のシャイアー巨額買収、もろ刃の剣の恐れ 財務体質悪化などのリスク克服が不可欠(SankeiBiz)



 武田薬品工業による欧州医薬品大手シャイアーの巨額買収は、会社の命運を分ける大きな賭けだ。武田以外にも、日本企業は成長市場の取り込みや国際競争力の飛躍を目指し、海外企業に買収を仕掛けてきた。だが巨額のM&A(企業の合併・買収)は、財務体質の悪化などのリスクを克服できなければ、大きな損失につながるもろ刃の剣になる恐れもある。

 「国際的な市場競争を考えれば、7兆円規模の買収は珍しくはない」。市場関係者は、今回の買収劇をこうみる。医薬品業界は画期的な新薬が収益のカギを握るため、莫大な研究開発費や時間を節約するM&Aが相次ぐ。武田は一気呵成(かせい)の対応で規模と時間の両方を得られるチャンスを巨額買収で手に入れた。

 製薬業界以外でも、縮小する日本市場を補うため、成長する海外でM&Aに踏み切るケースが増えている。M&A助言サービスのレコフ(東京)によると、日本企業による1000億円以上の海外買収はリーマン・ショック後の2009年の9件から17年は20件と倍増。今年も4月末までに7件と高い水準で推移している。

 ただ、巨額買収はリスクも伴う。東芝は06年に米原発会社ウェスチングハウスを買収したが、巨額の減損損失を計上し、破綻寸前に追い込まれた。リコーも子会社化した北米の事務機器販売会社の減損損失で、18年3月期に最終赤字へ転落した。

 今回の武田による買収をめぐっても、年初に6600円台だった武田株は巨額の買収負担による財務悪化が取り沙汰されて下落が続いた。8日の終値は割安感から前日比178円高の4638円と反発したが、依然として低迷する。買収をリスクでなく、成長につなげられるか。日本企業のM&A戦略の巧拙が改めて問われる。

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