豆腐業界 再編進む 背景に中小の経営難(日本農業新聞)



 豆腐業界の再編が進んでいる。大手事業者が同業メーカーの買収に乗り出し、経営規模を拡大する動きが活発化。小売りの買いたたきや原料価格の高止まりを受けて、経営難に陥った中小事業者が、事業の継続を大手に委ねている側面もある。事業者の減少に歯止めがかからない中、豆腐製造業の経営環境の改善を急いでいる。

 再編には、豆腐は長期保存が難しく、生産拠点で大量生産して各地へ輸送する経営戦略が取りづらいとの背景がある。そのため、経営拡大を目指す事業者は、既に地域に拠点を持つ豆腐メーカーを買収し、効率的に各地に製造体制を整備している。さらに、油揚げメーカーを買収することで、豆腐関連製品への事業拡大も図る。

 一方、買収される側の事情もある。小売りによる豆腐や油揚げの買いたたきに加え、原料の8割を占める輸入大豆価格の高止まりや後継者不足を背景に、経営が立ち行かなくなった中小事業者が、豆腐・油揚げ製造の継続に向けて、大手に事業を委ねている実態がある。

 豆腐製造業最大手の相模屋食料(前橋市)は昨年10月、不二製油の子会社で、油揚げを製造・販売する石川サニーフーズを子会社化。続けて同12月には、豆腐メーカーの日本ビーンズから豆腐製造事業を取得した。相模屋食料は「現在も数社のメーカーから買収の打診がある」と明かす。

 「さとの雪」ブランドを手掛ける大手豆腐メーカーの四国化工機(徳島県北島町)は3月、但馬屋食品の油揚げ工場を取得。外部に委託していた油揚げ製造を自社グループ内でこなせる体制を整えた。さらに、おとうふ工房いしかわ(愛知県高浜市)が豆腐メーカーの八里屋を子会社化するなど、大手以外にも再編の動きが出ている。

 国内の豆腐・油揚げの出荷額は、1999年の3682億円をピークに微減傾向が続き、2014年は3041億円となった。一方、製造事業者数はそれを大きく上回るペースで減少。14年は1231事業者で、99年(2761事業者)を6割下回った。

 全国豆腐連合会(全豆連)は、「現状、大手でも国内の豆腐生産量の数%のシェアにすぎない。豆腐の安定供給には、大部分のシェアを占める中小事業者の経営の安定化が欠かせない」と強調。国産原料を使った付加価値商品で収益性を高めていくことも求められる。

日本農業新聞



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