「ネオレトロ」バイク人気 新潮流で市場活況(産経新聞)



 見た目は昔風で中身は最新-。国内の大手二輪車メーカーは、伝統的なデザインに先進の運動性能を融合させた「ネオレトロ」という分野のバイクを相次ぎ投入している。年配のライダーが懐かしさを、若者は新鮮さを感じ購入。多様なラインアップは、縮小傾向が続く国内バイク市場の活性化にもつながりそうだ。

 ネオレトロ系バイクは、技術進化を促す国内排出ガス規制強化にも背中を押されて続々登場。一つが、川崎重工業が往年の名車で知られる「Z1」をイメージし昨年12月に発売した排気量948ccの新型バイク「Z900RS」だ。

 Z1は昭和47年に発売した大型バイクで、斬新なスタイルと高性能が人気を呼んだ。40年以上前のバイクながら現在も、絶版車が中古車市場で300万円以上で取引されるなど根強い需要がある。

 Z900RSの外観は、「涙のしずく」のような形状の燃料タンクに「火の玉カラー」と呼ばれるオレンジ色を塗装するなどZ1を想起させる。一方、最新の水冷エンジンや車体の安定走行をサポートする先進機能なども取り入れた。

 ブームを裏付けるように売れ行きは好調だ。年間販売目標は2500台だったが、発売からわずか4カ月間で目標の約7割を売り切った。青春時代に親しんだバイクに年月を経て再び乗り始める「リターンライダー」など40~50代だけでなく、若者の支持も集める。購入者のうち約2割が20~30代という。

 ヤマハ発動機も幅広い年代を取り込めるネオレトロに注目。845ccのエンジンを搭載した「XSR900」などの大型バイクで攻勢をかけている。

 ホンダは空冷エンジンなど伝統のスタイルを変えない「CB1100EX」を中心に展開する一方、小型バイクにも注力し7月に125ccの「モンキー」を発売。排ガス規制強化で昨年8月で生産を終了した50ccの「モンキー」のデザインを引き継ぎ復活させる。

 背景には、バイク購入者の平均年齢が50代前半に高齢化した現状がある。二輪広報担当者は「若者がバイクに魅力を感じて乗らないと市場は尻すぼみになる」と危機感を募らせる。

 日本自動車工業会によるとバイクの国内販売台数は昭和57年に327万台とピークに達し、その後は原付きを中心に減少。平成29年は前年比2・9%増の38万台と4年ぶりに前年を超えたが、ピーク時の約1割にとどまる。ただ、趣味で所有する傾向が強い軽二輪(126~250cc)などは堅調で、ネオレトロブームも寄与している。(臼井慎太郎)



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