ピーチとバニラが統合 ユーザーにはどう影響? 激変!世界のエアライン最新事情(日経トレンディネット)



 国内の格安航空会社(LCC)が大きく変わろうとしている。ANAホールディングスが出資するピーチとバニラエアの両社が2019年度末をめどにピーチを基盤に統合することが、2018年3月22日に発表された。

【関連画像】バニラエアは国内線6路線、国際線7路線の合計13路線を運航。LCCでは唯一、奄美大島や函館などに就航している

 2018年度下期より両社の統合へ向けたプロセスを開始。遅くても2020年春までにはバニラエアの機体は全てピーチの機体に塗り替えられる。さらに、ANAホールディングスの片野坂真哉社長は「現在35機ある機体を今後は50機以上に増やし、50路線以上に拡大する」と話す。ピーチの拠点は関西空港、バニラエアの拠点は成田空港だが、今回の統合によって新生ピーチは首都圏・近畿圏の両方に強いLCCとなるだろう。

それぞれの路線が維持される見込み

 ユーザーにとって最も気になるのは、就航路線やサービス内容がどう変わるかだろう。ピーチとバニラはもともと拠点としていた空港が異なるので、重複路線は成田-関西、関西-台北、那覇-台北と少ない(バニラエアは成田-関西線を2018年6月16日から運休する予定)。それぞれの路線がそのまま維持されると考えても良さそうだ。

 ピーチは2012年3月に運航を開始。関西国際空港内に本社を置き、那覇空港を第2拠点、仙台空港を第3拠点としている。今年度中には新千歳空港も拠点化する予定だ。また、深夜・早朝時間帯に羽田からもソウル、上海、台北への路線を展開している。一方、バニラエアは2013年12月に運航を開始。2018年3月には福岡-台北線を新たに就航し、日本-台湾線に強い航空会社として、成田-台北、成田-高雄、関西-台北、那覇-台北、福岡-台北の5路線で1日合計8往復を運航している。

 統合後は旧バニラエアの路線もピーチの公式サイトから予約できるようになる。ユーザーにとっては1つのLCCで利用できる範囲が広がったといえるだろう。

●機内持ち込み手荷物はどうなる?

 懸念は機内持ち込み手荷物の重量。現状ではピーチは10キロまで、バニラエアは7キロまで機内持ち込みが可能だ。また、ライバルLCCであるジェットスター・ジャパンやエアアジア・ジャパンが7キロまでを持ち込み可能としている。3キロの差を理由にピーチを利用していた人は少なくないだろう。新生ピーチは現在のピーチのサービスを引き継ぐ可能性が高いが、持ち込み手荷物の重量も10キロを維持してほしいと願うばかりだ。

●地方路線への就航に期待

 統合によって国内では大きくシェアを伸ばすことが予想される新生ピーチ。だが、今後は国内のLCCだけでなく、海外のLCCとの戦いも本格化する。ここ数年、特に地方空港を中心に台湾や韓国のLCCが相次いで就航しているのだ。

 チャイナエアラインが出資するLCCのタイガーエア台湾は、羽田や成田だけでなく、岡山や小松など地方路線を含む11路線を運航。また香港エクスプレスも羽田や成田に加えて石垣など9路線を運航するなど各空港に日本路線に積極的だ。韓国系のLCCもチェジュ航空、ティーウェイ航空、イースター航空、ジンエアー、エアプサン、エアソウルの6社全てが成田空港と関西空港に、5社が福岡空港と新千歳空港にも乗り入れている。今後も台湾・香港・韓国のLCC各社の勢いはしばらく続くだろう。

 そこで、新生ピーチに期待されるのが、地方路線への就航だ。現在、ピーチは関西発着では北は新千歳から南は石垣まで就航している。さらに2018年8月には関西-釧路線を就航するほか、北海道内の路線への参入も計画している。バニラエアも成田から奄美大島と函館、また関西から奄美大島へ就航しており、2018年7月1日から成田-石垣、那覇-石垣にも新規就航する。片野坂社長は以前から、「地方路線を担うのがピーチやバニラエアなどのグループLCCの役割」と話していたので、今後はその流れが加速していきそうだ。

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