中国でEVビジネス過熱 政府、補助金など支援 日米欧勢を「一気に追い抜く」(SankeiBiz)



 中国で電気自動車(EV)ビジネスが過熱している。ガソリン車の技術やブランドでは日米欧にかなわず、「EVで先進国の自動車産業を一気に追い抜く」(中国工業情報省)作戦だ。政府は法整備や補助金でメーカーや消費者を後押しする。世界EV市場の半分近くを抱え、自信を深めている。

 中国では昨年、EVが中心の新エネルギー車(NEV)販売が前年比53.3%増の77万7000台だった。今年1~3月は11万7000台で前年同期比136%増もの勢い。世界のEV需要のおよそ半数が中国にある。

 中国ではガソリン車の場合、当選率が数%の抽選に当たり、100万円前後を払わないとナンバープレートが入手できない。ところがEVにナンバー入手の制限はなく、不十分な充電設備などEVの弱点を補ってもメリットがある。最大で10万元(約170万円)の補助金も人気の秘密だ。

 中国政府にとり、深刻化する大気汚染など環境問題がEV産業育成の起点。来年からは一定割合以上の新エネ車の生産を義務づけるほか、英仏に続き、遅くとも2040年までにガソリン車の販売を禁止する。海外メーカーの市場参入では規制緩和も進めている。

 こうした中で、独大手ダイムラーの筆頭株主になった浙江吉利集団は、傘下の吉利汽車が販売する車両の90%を、20年までにEVなど新エネ車にする方針を表明。上海のベンチャー、蔚来汽車(NIO)は初の量産EVを5月から一般に販売するほか、米ニューヨーク市場に年内にも上場。10億ドル(約1070億円)もの資金調達をもくろむ。

 だが、急ピッチで進む中国のEV産業育成は、過当競争のリスクもはらむ。

 中国メディアは、200社以上も林立する地場メーカーの生産計画を合算すると20年に2000万台と、政府計画の10倍以上になるとして、90%の企業は淘汰(とうた)されると警告している。

 中国では以前、太陽電池の産業育成でベンチャーが乱立。過剰生産で競争力を失った失敗例がある。中国のEV市場には日産自動車やトヨタなど日本勢も熱視線を送るが、混乱も懸念される。(上海 河崎真澄)



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