3月消費者物価0.9%上昇 上げ幅、前月下回る 遠い2%目標到達(SankeiBiz)



 総務省が20日発表した3月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、前年同月と比べ0.9%上昇の100.6だった。上げ幅は1%の大台に乗った前月から縮小し、2016年7月以来、1年8カ月ぶりに前月水準を下回った。市場では今後も1%前後で推移するとの見方が根強く、日銀が物価見通しで掲げている19年度の2%目標到達は見えてこない。

 ガソリンなどエネルギー価格の上昇幅が前月よりも小さかったことに加え、2月に指数を押し上げた春節や平昌五輪などの一時的要因の剥落も影響した。エネルギーを除いて天候や市況の変動の影響を受けづらくした指数も前年同月比0.5%上昇と伸び率は前月から横ばいで、物価上昇の勢いは弱い。

 ただ、同時に発表した17年度平均の指数は前年度と比べ0.7%上昇の100.4で、3年ぶりのプラス。「物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなった」(黒田東彦総裁)という日銀の見方は改めて裏付けられた形だ。

 とはいえ、この先は順調に物価が上昇するという日銀の楽観的な見方には懐疑的な声が多い。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、18年末にかけ上昇率(生鮮食品を除く)は0.8~1.0%で推移するとみる。

 エネルギー価格は、原油が昨年後半に大幅な値上がりをみせた反動で伸びが鈍化しそうだ。賃上げの動きも前年水準を上回っているとはいえ、中堅中小企業では期待ほどの力強さはなく、「物価がどんどん上がる状況ではない」(丸山氏)。

 日銀が「19年度ごろ」と予想する物価上昇率2%目標の実現時期も、いずれ7回目の先送りを余儀なくされるとみる向きは多い。現行の大規模な金融緩和を手じまいする出口戦略は2%目標の達成が前提となっており、着手は当面先になりそうだ。(田辺裕晶)

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