雪害乗り越え さあ春作業 ハウス再建― 仲間が JAが そして住民が・・・ 感謝 営農継続へ 北海道・日高の被災農家(日本農業新聞)



 2月の大雪でハウス500棟以上が損壊するなど、大きな被害を受けた北海道日高地方では、春の農作業開始に向け生産者が復旧作業を急いでいる。支えるのは生産者の他、JA、町の職員、ボランティアら。圃場(ほじょう)にまだ雪が残る中、除雪しハウスの片付けを手伝った。復旧道半ばの農家も多いが、地域ぐるみの支援が実を結び、営農再開への道筋が見えてきた生産者も出てきた。JAでも農作業の遅れを最小限に食い止めようと対策を急ぐ。(望月悠希)

「みんなの力」実感

 「皆さんのおかげで、ここまで来られた」と話す新ひだか町の下園雄治さん(46)と妻・りえさん(44)。目の前には、建て直したばかりのハウスの骨組みが青空の下で白く光る。

 ミニトマトを10棟(1棟3アール)で栽培していたが、大雪で9棟が損壊した。2年間の研修を経て、昨年4月に新規就農したばかりだった。下園さんは「当初はショックで現実感がなかった」と振り返るが、「やるしかない」とすぐに気持ちを切り替えた。

 半壊したビニールハウスの中から使える骨組みを集め、自力で1棟を復旧した。再建を後押ししたのは地域の力。「除雪や解体などで、JAや町の職員、ボランティアの方々に助けてもらった」と感謝する。

 現在、残り8棟も再建中だ。新しいハウスは、パイプを太くするなど雪に強い仕様にする。平年よりも3週間遅く、5月末からの定植を目指す。りえさんは、3歳の娘に収穫させることを心待ちにする。

 同町でアスパラガスを栽培する平田浩彰さん(56)も「仲間の後押しに助けられた」と話す。ハウス1棟が損壊し落ち込んでいた平田さんに、仲間の生産者から「手伝うよ」と電話があった。ハウスを建て直すことができ、3月に毎年恒例の地域の人へのお裾分けもできた。「手伝ってくれた人に、一番に持って行った」と笑顔を見せる。

 同町が管内のJAしずない、JAみついしでは、地域の関係機関と協力しながら復旧に尽力した。

 JAしずない管内では、241棟のハウスが被災した。撤去作業は完了し、現時点で134棟が「産地活性化総合対策事業」を通して、建て直す見通しだ。同事業は、国が復旧支援で打ち出した規模拡大を要件に生産資材購入などを助成する仕組みで、今後申請手続きを進める。

 復旧にはJA職員の他、町や連合会、自衛隊のボランティア、社会福祉協議会が募った市民らが連携。3月下旬までに延べ955人が参加し、除雪やハウスの撤去を進めた。今後、JAでは廃棄するビニールの処分に向けた対策を検討する。

 JAみついしでは、損壊した160棟の6、7割が再建される見通し。町や生産者、市民ボランティアらと連携して撤去を進めた。資材がやっと届き、これから修復に着手する農家も多い。JAの水上隆介営農部長は「国の事業も利用しながら責任産地として、復旧に向け組合員を支援したい」と話す。

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