食品ロス646万トン もったいない どう共有?(日本農業新聞)



 食品ロス対策か、食品衛生を巡るトラブル回避か──。飲食店で食べ残した料理を客が持ち帰る運動が、少しずつ広がってきた。ただ、食中毒の恐れから「リスクが大きい」と敬遠する店も多い。農水省の17日の発表では、食品ロスは年間646万トンにも上る。政府や自治体は、持ち帰りに対し、自己責任を前提に進めていくことを呼び掛ける。(猪塚麻紀子、尾原浩子)

専用容器を普及 残したらお持ち帰り

 横浜市のイタリア料理店「Pizzeria Passo(ピッツェリアパッソ)」。歓迎会で同店を訪れた近隣の会社員、吉村浩志さん(27)が笑顔で店から渡された「シェアバッグ」にピザを詰めて持ち帰った。同店はシェアバッグを紹介し、食べ残した料理を持って帰ってもらうよう客に呼び掛ける。

 山口征二マネジャーによると特に団体客から好評で、食べ残しは半分に激減した。「パッケージもかわいく、喜んで持ち帰ってもらっている」と手応えを話す。

 同市では、「食べ残しをする人が多く、作ったのにもったいない」という飲食店の声を受け、市と飲食店予約・グルメ情報サイトの「ホットペッパーグルメ」が協力。約100店舗の飲食店が中心となって、シェアバッグの普及を進める。持ち帰り用の紙箱と紙袋を配るキャンペーンを4月末まで開く。同店はキャンペーン終了後も続ける意向だ。

 長野県は食品ロスの削減を目指し、飲食店や宿泊事業者の協力を得て食べ残しを減らす運動を展開する。

 運動に呼応し、JA佐久浅間の多目的ホール「べルウィンこもろ」は2年前から、宴会時などに料理を持ち帰ることができる容器を準備している。当初、従業員が詰めていたが保健所の指導で、現在は客自身が詰めるように変更した。生ものは避けるなどの注意点も説明する。

 「お客さんは、当たり前のように喜んで持ち帰ってくれるようになった。注意点をしっかり伝えれば、問題はない」と、宮下富雄支配人は実感する。容器代は店側の負担だが、大量発注しており大きな負担ではないという。

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