AI、自動運転…自動車メーカー、次世代車開発へ人材獲得激化(産経新聞)



 自動運転車、通信機能を備えたコネクテッドカー(つながる車)…。国内の自動車大手や部品メーカーが、業種や国境の垣根を越えて、次世代車の開発を担う技術者の獲得にしのぎを削っている。売り手市場の中、技術者が働きやすい研究開発体制を構築して魅力を高めようと知恵を絞る。

 「やりたいことを、本気でやろう。」

 ホンダは、中途採用を告知するウェブサイトでこう呼びかけ、技術者のチャレンジ魂をくすぐっている。

 技術職の募集職種は、人工知能(AI)を使った自動運転支援システムの研究開発▽コネクテッドカーの通信技術開発▽電動二輪車の研究開発-など幅広い。

 ホンダは、平成30年度の中途採用を前年度比2割増の700人にすると発表。自動運転技術やAIに開発領域が広がっていることを踏まえて増やす。三部敏宏常務執行役員は「当社には芝刈り機からバイクまでAIを使って動かしたいものがたくさんある」と話す。

 一方で、「中途採用は取り合いだ。ほしい人数をすぐに集められるわけではない。仕事のやりがいを見いだせる組織でいることが重要だ」と気を引き締める。

 自動車大手の技術者はもともと、エンジンなどを扱う機械工学系の人材が中心。これまでの延長線上にない技術開発には、異業種からの採用も重要だ。日産自動車も29年度、新卒を上回る820人を中途採用しており、人材獲得競争は既に過熱気味となっている。

 AIなどに照準を定めた態勢づくりも活発化している。ホンダの研究開発子会社、本田技術研究所(埼玉県和光市)は28年、東京・赤坂にAIの研究開発拠点を開設。大学や研究機関が集まる都心部で、国内外の技術者との連携を強める。

 トヨタ自動車も今年3月、デンソー、アイシン精機との共同出資で自動運転技術を開発する新会社を東京都文京区のトヨタ東京本社内に設立。3社の社員約300人で発足し、国内外から技術者を集め、1千人規模に拡大する。

 技術者の転職支援を手がけるメイテックネクスト(東京)では、IT、AI関連の開発に携わる人材の求人数が、約2年前と比べて4倍に膨らんだ。

 ただ、自動車メーカーが目を付ける技術者には電機のほか、ITを活用した金融サービス「フィンテック」への対応を急ぐ金融機関も熱い視線を注いでおり、人材の獲得は一筋縄ではいかないのが実情だ。(臼井慎太郎)



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