世界一のデジタル銀行は日本と何が違うのか(東洋経済オンライン)



世界で最もデジタル化を推進している銀行はどこだろうか。日本にもさまざまなネット銀行があるが、シンガポールのDBS銀行は、「自分たちが銀行である」という意識を捨て、テック企業として新たな成長ステージを目指す。今回来日したデビッド・グレッドヒルCIO(最高情報責任者)兼技術・事業本部長に、同行の最先端のデジタル戦略を聞いた。
私は今、シンガポールのDBS銀行で最高情報責任者兼技術・事業本部長という役職にあります。前職はJPモルガンで20年ほど、アジアにおける技術・事業部門に従事していましたが、2008年にDBS銀行に入行して以来、同行のデジタル化を推進してきました。

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■なぜDBSは世界一の「デジタル銀行」に選ばれたのか

 具体的には、テクノロジー・インフラを再構築するとともに、ビッグデータや生体認証、人工知能などを活用することによって、顧客に提供するサービスのすべてをデジタル化しました。その結果、2016年にはユーロマネー誌が主催するアワード・フォー・エクセレンスで、「ワールド・ベスト・デジタル・バンク」に選ばれました。

 われわれがデジタル化を志向する前、DBS銀行は売り上げも利益も伸びており、ビジネス環境は決して悪くありませんでした。しかし水面下では成長余力が徐々に狭まっていたのです。拠点とするシンガポール、香港には出店余地がなく、次の展開として、人口が非常に多い中国やインドネシアで現地銀行を買収することでの進出を検討しましたが、外資の出資規制が厳しく、たとえばインドネシアでは、ダナモン銀行の買収を断念せざるをえませんでした。

 そこで発想を切り替え、買収などによって商圏を広げるのではなく、DBS銀行そのものをデジタル化しようと考えたのです。デジタル世界であれば、国境も規制も超えて拡張できる可能性があるからです。

 デジタル化を推し進めるにあたっては、私たちは「もし、アマゾンドットコムのジェフ・ベゾスが銀行業を行うとしたら、何をするだろうか」という観点から、徹底的に考えました。

 そこで出てきた答えのひとつは、私たちが「芯までデジタル企業になる」ことでした。一部のサービスにデジタル化を導入するのではなく、会社自体をデジタル化するのです。そのためには、会社のカルチャーそのものを変える必要がありました。

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