海運の温室ガスを今世紀中にゼロに 削減でIMO合意(産経新聞)



 ロンドンで開催された国際海事機関(IMO)海洋環境保護委員会は13日、国際海運分野の地球温暖化対策として、今世紀中のなるべく早い時期に船舶が排出する二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出ゼロを目指すことで合意した。温室効果ガス排出量の2%強を占める海運分野で、温室効果ガス削減の目標値が設定されたのは初めて。

 IMOの委員会が採択した「削減戦略」は、2030年までに輸送量当たりの全体の燃費効率を08年比で40%改善し、50年までに排出量を半減させるとの目標を設定した。船籍の区別なく削減対策を進めることも決めた。

 温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は批准国に温室効果ガスの排出量削減を求めている。だが、船舶運航を担う海運会社の国籍と船籍が異なるなど、国際海運分野は割り当て設定が難しい。このためパリ協定は国際海運分野を除外、IMOに協議を任せていた。

 同委員会の今会合は日本が議長国。温暖化対策に熱心な欧州諸国などが野心的な目標を主張したのに対し、途上国が反対を表明し、日本が議論を主導して調整が続いていた。

 今回合意に至ったものの、目標達成に向けた方策については効果的とみられる項目を挙げるにとどまる。今後は、目標達成に向け、実効性を踏まえながら具体的な施策をどこまで詰められるかが焦点となる。

 採択内容は日本にとって実利がある。数値目標は省エネ技術の開発で一日の長がある日本の造船業に追い風だ。日本は現在、世界3位だが、得意技術で上位への浮上が期待できる。燃料費削減につながる海運会社にもメリットは及ぶ。各社は省エネ化の取り組みを加速できるかが鍵を握る。(日野稚子)

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