訪日客“税源”自治体で活発化 宿泊税、入湯税引き上げ 誘客に水差す懸念も(SankeiBiz)



 増加する訪日外国人を“税源”にする動きが活発化してきた。宿泊客に課税する宿泊税の導入や、温泉施設の宿泊客に課税する入湯税を引き上げる自治体が相次ぎ、都道府県と市町村の双方が宿泊税導入を検討する例も出てきた。2019年1月には日本からの出国時に1人1000円徴収する「国際観光旅客税」の導入が予定される。二重三重の課税は客の負担感を増すだけに、誘客に水を差しかねない。

 自治体の財政が厳しい中、増加する訪日客対応は急務で、「受益と負担の関係を考えると、税源を観光客に求める宿泊税は有効な手段」(北海道観光局)と口をそろえる。新たな税収は観光案内の外国語対応や文化財の修繕、インフラの整備など観光振興に充てる方針で旅行客にも理解を求めたいという。

 だが、導入する自治体の増加で新たな問題が生じている。北海道では、道とニセコ地区を抱える倶知安町の双方が導入を検討しており、二重課税になりかねない事態を招いているのだ。

 外国人スキー客が急増する同町は受け入れ体制の強化、拡充のために昨年夏頃から宿泊税導入を検討。19年11月からの導入を目指し、道に先駆けて検討を進めてきた。

 一方、道は今年2月に道観光審議会が宿泊税導入を検討するよう答申したのを受け、今後、導入の有無や制度設計について議論する方針だ。道は「道内の市町村との二重課税が問題なのではなく、宿泊客の過剰な負担にならないような制度設計にすることが重要だ」(観光局)と強調する。

 ホテルや旅館の宿泊者に課税する宿泊税は12年に東京都が導入後、17年に大阪府で始まったのを機に導入が加速。今年10月には京都市で、19年4月には金沢市で導入が予定され、福岡や沖縄など複数の自治体でも導入の検討が進む。増加する訪日客に便乗した増税機運も高まる。別府温泉を抱える大分県別府市は3月、40年ぶりに条例改正で入湯税を引き上げた。50~150円の税額を最大で全国最高額の500円とし、今年度中に導入予定。大阪府は宿泊税の対象を、宿泊料1人1泊1万円未満にも拡大する方針を示す。

 だが、日本観光ホスピタリティ教育学会の鈴木勝会長は「格安航空会社(LCC)の利用客などには少しの増税も負担になる。国際観光旅客税が始まれば、観光需要の減少につながりかねない」と警鐘を鳴らす。

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