訪日客で税収増狙う 宿泊税、入湯税引き上げ… 地方自治体(産経新聞)



 全国の地方自治体で訪日外国人の増加を税収増につなげる動きが活発化している。北海道などは観光資源整備などのため、宿泊税導入の検討を進めており、1回の宿泊で都道府県と市町村の双方から納税を求められる「二重課税」のおそれも出てきた。課税が積み上がれば観光客の負担感が増すことは避けられず、誘客に水を差しかねないと懸念する声も上がっている。(西村利也)

 「受益と負担の関係を考えると、税源を観光客に求める宿泊税は有効な手段」

 北海道観光局の担当者は宿泊税を検討する理由をこう説明する。新たな税収は観光案内の外国語対応や文化財の修繕、インフラの整備など観光振興に充てる方針で、旅行客にも理解を求めたいという。

 だが、導入する自治体の増加で新たな問題も生じている。北海道では道だけでなく、ニセコ地区を抱える倶知安町も導入を検討。宿泊客が道と町の両方から納税を求められかねない事態を招いているのだ。

 倶知安町は外国人スキー客が急増しており、昨年夏頃から宿泊税を検討。平成31年11月からの導入を目指し、道よりも早く検討を進めてきた。一方、北海道は今年2月に道観光審議会が宿泊税を検討するよう答申したのを受け、今後、導入の有無や制度設計について議論する方針だ。

 後から宿泊税に目をつけた北海道は「道内の市町村との二重課税が問題なのではなく、宿泊客の過剰な負担にならないような制度設計にすることが重要だ」と強調する。しかし泊まるだけで2カ所から税を取られる仕組みには、宿泊客から不満が出るおそれもある。

 宿泊税は京都市、金沢市でも導入が予定され、福岡や沖縄など複数の自治体でも検討が進む。29年に導入済みの大阪府は宿泊税の対象を宿泊料1人1泊1万円未満にも拡大する方針を示す。宿泊税は14年の東京都が先駆けだが、このところ導入、拡大が加速している形だ。

 また別府温泉を抱える大分県別府市は今年3月、条例改正で40年ぶりに入湯税を引き上げた。50~150円の税額を最大で全国最高額の500円とし、今年度中に導入する。日本観光ホスピタリティ教育学会の鈴木勝会長は「格安航空会社(LCC)の利用客などには少しの増税も負担になる」と指摘。国や自治体が課税を進めれば、観光需要の減少につながりかねないと警鐘を鳴らしている。

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