教育が職業に直結、ドイツ社会の「雇用哲学」(東洋経済オンライン)



 日本では新年度を迎え、職場に新入社員を迎えた人も多いだろう。毎年変わらぬ風景が見られる一方で、この20年ほどで就職・雇用をめぐる状況は一変した。非正規社員の増加や新入社員の過労死など、働く環境を巡る問題が噴出し、「ブラック企業」という言葉も登場。今国会は「働き方改革国会」と銘打たれ、労働時間規制を強化する法案の成立が目指されている。

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 こういった状況に対して、「生産性が高いうえに長期休暇がある」など、ドイツの「ホワイトな実情」が引き合いに出されることは多い。もちろんドイツにもさまざまな問題もあるが、日独の就活や人材育成を比べると、確かにその違いは大きい。一番の違いは、日本は就活や人材育成が「企業」という私的組織主体で行われているのに対し、ドイツは「社会全体」が責任を持っているのだ。この違いが社会にどう影響しているのか、今回は考えてみたい。

■ニートが発生しにくい職業教育制度

 ドイツと仕事という単語を並べてみると、「マイスター」という言葉を思い浮かべる人も少なくあるまい。マイスターとは、中世ヨーロッパのギルド(同業者組合)で発達した徒弟制度における「親方」のことだ。

 現在も手工業などの分野にある資格だが、仕事に関して「所属する会社」よりも、職業に重きを置く「職業社会」であることを象徴する言葉だ。そんな国の「就活」は日本とかなり事情が異なる。一言でいえば教育と職業の関連性が高く、そのため日本人の感覚からいえば、かなり複雑だ。

 ドイツの学校制度を見ると、小学校は4年生まで。以降の中等教育がおおよそ3種類に分かれる。大学入学資格取得が前提の「ギムナジウム」(8年)、中級クラスの技術者となることを前提とする「実科学校」(6年)、職人などの職業となることを前提とする「基幹学校」(5~9年)などである。最近はこれらをまとめた「総合学校」もできている。

 中等教育を終えた後のシステムがまた複雑なのだが、できるだけシンプルに書き進める。

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