仮想通貨「ギャンブルではないのか…」 “投機”先行、規制強化意見相次ぐ(SankeiBiz)



 金融庁は10日、仮想通貨交換業の規制の在り方や、現行の法制度の問題点などを議論する有識者会議(座長・神田秀樹学習院大大学院教授)の初会合を開いた。証拠金を使った仮想通貨の取引や仮想通貨技術を使った資金調達(ICO)の課題や実態について説明するとともに、制度改正が必要か議論を始めた。参加者からは、利用者保護の観点から「規制を強めるべきだ」との意見が相次いだ。今年1月にコインチェック(東京)による仮想通貨流出問題が発生したのを受け、金融庁が3月、研究会を設置した。

 ◆8割が証拠金取引

 仮想通貨取引に規制を設ける検討が始まったのは、投機目的の証拠金取引が全体の8割を占めるほか、不公正取引に対する市場ルールがないからだ。投資家の資産保護の仕組みも含めて整備作りが急務とされている。

 「仮想通貨市場は、為替相場に比べ、変動率が8~10倍。その取引に元手の10~20倍を投じている。ギャンブルではないのか」

 10日に金融庁で開催された仮想通貨交換業の規制の在り方などを議論する有識者会議で、メンバーの一人から、一定の証拠金を預ければ、20~25倍もの金額を運用できる仮想通貨の証拠金取引の実態に対して疑問視する声が挙がった。

 実際、国内の仮想通貨交換業者17社の証拠金取引(信用、先物取引含む)の合計は、2015年度に269億円だったが、17年度には56兆4324億円まで拡大するとともに、現物取引量を大きく逆転。全体の8割が証拠金取引となっている。

 こうした短期的な価格変動で利益を得ようとする「投機」が先行し、価格が乱高下する事態に、金融庁幹部は「仮想通貨決済の普及を見据えて作った登録制度だったが、当初の想定と実態にずれが出ている」と話す。

 自主規制団体の日本仮想通貨交換業協会の会長に就任予定の奥山泰全・マネーパートナーズ社長は「過剰投機は問題」としており、今後、金融庁などとともに証拠金の倍率引き下げを議論していくとみられる。

 ◆顧客救済制度なし

 顧客の資産保護の仕組みが整っていないことも課題だ。銀行に預金した場合は、預金保険制度に基づき1人当たり元本1000万円と利息が保護される。外国為替証拠金取引(FX)では、顧客が提供する証拠金は信託銀行などに管理を委ねており、取引業者の破綻時にも顧客資産が保護される。現在、仮想通貨においては、三菱UFJ信託銀行が顧客資産保護のための信託商品を検討しているのみで、救済制度がないのが実態だ。大和総研の矢作大祐氏は「仮想通貨が流出した際に、全額を補償する盗難保険を作るべきだ」と指摘している。

 仮想通貨市場に、公表前の内部情報を基に株式を売買する「インサイダー取引」や、取引のために虚偽情報を流す「風説の流布」などの規制がないことも、市場の健全性を高める上で課題になりそうだ。(飯田耕司)



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