再生エネ、主力化に費用低減の壁 「脱炭素化」へ原発の議論求める声(SankeiBiz)



 経済産業省が示した2050年の長期エネルギー政策への提言は、再生可能エネルギーを「主力電源」にする方針を明記した。欧米や中国に比べて遅れる普及の巻き返しを期すが、主力化には出力変動を吸収する蓄電池などシステム全体の費用低減が大きな壁になる。10日の有識者会議では、温暖化対策を強化するため、再生エネと並び「脱炭素化」につながる原子力発電の必要性を訴える意見が相次いだ。

 提言では、再生エネを安定的に出力する「ベース電源」などとして活用する際の発電費用を試算した。従来は太陽光や風力など電源別の試算だったが、主力化を見据え蓄電池や水素発電に使うシステム全体の費用を含めた。例えば、国内の再生エネと蓄電池をベース電源として使うと1キロワット時当たり95円となり、原子力の同10円などに比べて大幅に費用が膨らんだ。

 提言は、再生エネが原発並みに費用を低減するには、「大量生産効果だけで実現可能なレベルではない」と指摘した。だが、具体的な道筋は明示せず、「技術革新が必要となる」と記すにとどめた。また、太陽光パネルの国内出荷に占める海外生産比率が6割に上るなど、「日本は(再生エネで)技術的な自給率を失いつつある」(坂根正弘委員)との懸念もある。

 このため有識者会議では温暖化対策やエネルギー安全保障の観点から、原発に対する議論を求める声が上がった。提言では原発は温暖化対策の「選択肢」とし、「人材・技術・産業基盤の強化に直ちに着手」すると明記した。だが、原発の存続に欠かせない新増設は、「可能性は排除しないが、方針は出していない」(経産省)と議論を避けた。

 枝広淳子委員は「原発の位置付けの議論を逃げていると、パリ協定の目標達成の議論も進まない」と指摘した。(会田聡)

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