第4次安倍内閣、補正予算案の編成指示 看板政策実現へ財政出動(産経新聞)



 ■災害復旧・子育て支援など柱

 安倍晋三首相は1日、政権の看板政策「人づくり革命」の実現に向け、子育て支援を“目玉”とした平成29年度補正予算案の編成を指示した。年内にとりまとめ、来年1月に召集する通常国会に提出する。30年度当初予算と合わせ切れ目なく景気を下支えする狙いだが、政権の財政出動への依存度は強まる一方。国・地方の借金が1千兆円を超え財政再建も「待ったなし」の中、経済成長と財政再建をどう両立させ政権運営するのか。覚悟が問われる。

 「一層強力な経済政策を展開していく」

 安倍首相は1日夜の記者会見で補正予算の編成を表明した上で、経済最優先に取り組む姿勢を強調した。

 補正予算案では、人づくり革命を柱として待機児童対策で保育所の整備費用を計上する。もう一つの看板政策「生産性革命」関連では中小企業のITなど設備投資の支援費用を手当てする方針。安倍首相は会見で「生産性革命と人づくり革命を車の両輪として少子高齢化という最大の壁に立ち向かっていく」と述べた。

 農業対策も盛り込む。大枠合意した欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の国内対策として欧州から輸入が増えると見込まれるチーズなどの農産物のブランド化を支援する。

 九州北部の豪雨や台風被害の復旧費も手当てする。緊迫化する北朝鮮情勢を踏まえミサイル防衛の強化に向けた調査費も盛る方針。

 財源には、28年度決算の剰余金や、低金利下で使い残す国債の利払い費を活用する。不足すれば、建設国債を発行して賄う見通し。赤字国債の追加発行は行わない方向で調整する。

 ただ予算総額は想定以上に膨らむ可能性もある。30年度当初予算では歳出規模を抑制する「目安」が設けられており、各省庁が補正での予算獲得に力を入れているためだ。政権の看板政策にかこつけて、補正予算案での政策経費の獲得を画策する動きがある。

 ただ、補正予算は大災害や景気悪化など緊急的に編成の必要があるときにのみ認められるというのが財政の大原則だ。国内景気の回復基調が鮮明となっている中で不急の経済対策に予算を充てれば、財政規律は一段と緩みかねない。

 安倍政権は消費税増税を2度延期し、基礎的財政収支の32年度黒字化目標も先送りした。日銀の金融緩和による金利低下で借金の利払いが抑えられている状況に甘え財政拡大を続ければ、そのツケはいずれ国民が払わされることになる。



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