大手鉄鋼4社、通期見通し 業績好調(日刊工業新聞電子版)



■原料市況の変動リスクはらむ

 大手鉄鋼4社の業績が好調だ。新日鉄住金は2018年3月期連結決算の業績予想で、売上高と当期利益の見通しを上方修正したと発表した。JFEホールディングスも同3月期の連結業績予想で、売上高と各利益段階の見通しの上方修正を同日発表した。内需が堅調に推移する中での販売増や、原料価格上昇を受けた製品値上げの効果を織り込んだ。ただ、足元では原料炭や燃料、副原料の市況の乱高下が続いており、先行きの業績には不透明感も漂う。

 新日鉄住金が同日発表した18年3月期の連結業績予想では、売上高を従来予想の5兆6000億円から前期比23.0%増の5兆7000億円に、当期利益を同じく1700億円から同37.5%増の1800億円に引き上げた。値上げ効果や為替の円安進行、株高に伴う資産売却益の上ぶれなどを織り込んだ。

 JFEホールディングスは同3月期の連結経常利益が同2.6倍の2200億円、当期利益が同2.4倍の1600億円になるとの見通しを発表した。従来予想はそれぞれ2000億円、1500億円だった。原料価格の上昇に伴い、原料や製品などの在庫の評価額が膨らむと見込んだ。

 神戸製鋼所は一連のデータ改ざん問題の影響を踏まえ、従来予想では未定としていた同3月期の連結当期利益が、450億円になるとの見通しを発表した。前期は230億円の赤字だったが、悪化要因となった中国の建機事業の持ち直しや、在庫評価の改善などで黒字転化すると予想した。改ざん問題の影響は、経常利益段階で100億円にとどまる見込みだという。

 各社ともこの間の値上げで、主原料価格の上昇分をほぼ取り戻したが、原料炭や副原料となる亜鉛などの市況は乱高下が続き、先行きも不透明感が強い。この間の値上がり分をまだ吸収しきれずにいるケースもあり、各社は底堅い需要を追い風にもう一段の値上げに向けて「(顧客と)粘り強く交渉を続ける」(新日鉄住金の栄敏治副社長)構えだ。

【関連記事】

Related Post



コメントを残す