検証2017/民間宇宙開発が加速 「宇宙活動法」一部施行(日刊工業新聞電子版)



 2017年は宇宙ベンチャーなど企業によるロケットや超小型衛星の打ち上げが相次ぎ、宇宙空間の開拓が加速している。代表的な宇宙ベンチャーである米スペースXは3月、打ち上げ後に回収したロケットを再利用、コストを大幅に下げることに成功した。国際宇宙ステーション(ISS)に行くための新型宇宙船の建造計画など最先端の技術を生み出している。

 日本でもインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)が7月、観測ロケット「MOMO」の打ち上げを行ったが、予定高度100キロメートルに届かずに終わった。現在は18年春を目標に、2号機の打ち上げに向けて調整中だ。

 民間の宇宙開発に対し、国は宇宙に関する法整備を実施。18年11月以降に打ち上げるロケットや衛星に対し、国の審査が必要になる法律「宇宙活動法」を一部施行した。審査基準を明確に示すことで、民間の宇宙利用を促す狙いがある。

 一方、衛星画像の取り扱いに関する「衛星リモートセンシング記録に関する法律」も施行。日本ではアクセルスペース(東京都中央区)が多数の超小型衛星を地球の周りに展開し、地球上の画像のサービス提供を目指している。

 超小型衛星開発の第一人者の東京大学の中須賀真一教授は、「ビジネスに必要な要素として、衛星画像データにいかに付加価値をつけられるかが重要」と指摘する。5月には内閣府が「宇宙産業ビジョン2030」を公表。30年代前半までに、政府は現在の宇宙関連市場を2兆4000億円に倍増する方向性を示した。

 この中で17年度の大きなイベントは、日本版全地球測位システム(GPS)である準天頂衛星「みちびき」の打ち上げだ。4機のみちびきを利用し、18年度からセンチメートル級の位置精度での測位サービスを始める。自動車や農業機械の自動走行など産業利用に向けた企業の準備が進んでおり、官民合わせた宇宙産業の創出に注目したい。

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