大手化学メーカーの業績、主力事業で明暗(日刊工業新聞電子版)



4―9月期は6社中4社が営業増益

 総合化学6社の2018年4―9月期連結決算は4社が営業増益だった。石油化学市況の一部に陰りが見える中で、主力事業の稼ぐ力で差が出た。サウジアラビアなど中東情勢で原燃料価格が安定せず米中貿易戦争により足元が堅調な素材需要へのマイナス影響を危惧する声も多い。ここ2年ほどの好景気は曲がり角を迎えており、下期は各社正念場だ。

 旭化成の18年4―9月期連結決算は営業利益が前年同期比12・6%増の1043億円と2年連続で過去最高を更新した。合成樹脂・繊維原料のアクリロニトリル(AN)の利ザヤが同5割弱拡大したほか、前年あったエチレンプラントの定期修理がなくなったため。

 19年3月期連結業績見通しも上方修正し、営業利益は5月公表よりも200億円増の2100億円と一転して増益予想となる。ケミカルに加えて、クリティカルケア事業で医療機関向け除細動器の販売増も織り込んだ。

 三菱ケミカルホールディングスはアクリル樹脂原料のメタクリル酸メチル(MMA)が変わらず好調。全社のコア営業利益(非経常的な損益を除いた営業利益)の3分の1を単独で稼ぎ出した。

 一方、三井化学と東ソーも増益だったが、稼ぎ頭が減速気味だ。三井化学のモビリティ部門は自動車部材の原料価格上昇などで、営業利益が同8・6%減の201億円だった。東ソーもけん引役だったカセイソーダとウレタン原料が価格下落。クロル・アルカリ部門の営業利益が同横ばいの251億円とブレーキがかかった。

 宇部興産は電池用セパレーター(絶縁材)販売が伸びたものの、タイヤなどに使う合成ゴムが市況悪化で利幅を圧迫。化学部門の営業利益は同38・3%減の82億円と落ち込んだ。

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