「かごしま黒豚」おいしさ証明 甘味・うま味抜群 県畜試など(日本農業新聞)



 鹿児島県畜産試験場などは、銘柄豚「かごしま黒豚」のおいしさを科学的に裏付けた。白豚や輸入豚と比べ、抗酸化作用があるとされる機能性成分のアンセリンが1、2割多いことを初めて確かめた他、甘味やうま味の成分が数倍多いことも明らかにした。軟らかさやジューシーさが優れていることも証明。国内の他の銘柄豚や輸入豚との差別化、輸出拡大に役立て、農家の所得増大につなげる考えだ。

 試験場と鹿児島大学、JA鹿児島県経済連などが共同研究で明らかにした。最新機器で成分や硬さ、保水性などを分析する理化学検査と、消費者らによる食味評価の両面で、「かごしま黒豚」と県産の白豚、カナダ産の輸入豚を比べた。

 2016、17年に実施した理化学検査の結果、「かごしま黒豚」はアンセリンが白豚や輸入豚と比べ1、2割多かった。甘味成分のトレオニンは白豚や輸入豚の5・1~6・7倍、うま味成分のグルタミン酸は3・7~4・5倍。破断強度を示す数値や加熱時の遊離水分率は低く、軟らかく保水力が高いことも分かった。

 17年には理化学検査の結果を照らし合わせる形で食味評価も実施。同じ条件で調理して20~50代の男女38人に香りやうま味を評価してもらったところ、「かごしま黒豚」はかみ切りやすさやジューシーさで白豚や輸入豚を上回り、理化学検査の結果を裏付けた。試験場は「他の豚より細い筋繊維が密集しているため、ジューシーで軟らかくなる」とみる。

 試験場養豚研究室の大小田勉室長は「分かっているようで分かっていなかった食肉のおいしさの根拠を裏付けた。他に例がない取り組みだ」と説明。国内に400以上の銘柄豚がある中、違いを明確に打ち出しやすくなると強調する。欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)などで増加が予想される輸入豚との差別化や、輸出に役立てる構想も描く。

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