稲いもち病 抗菌物質で抑制 きのこ廃菌床活用抵抗性誘導 鳥取大など研究チーム(日本農業新聞)



 鳥取大学などの研究グループは、食用きのこの廃菌床から得た抽出物が、稲の病害抵抗性を誘導するメカニズムを明らかにした。植物の防御機能を高める物質のファイトアレキシンや植物ホルモンが増加し、いもち病の発生を抑えることが分かった。廃菌床の有効活用につなげる。

 きのこを収穫した後の廃菌床は、土壌改良にも使うが、廃棄されることが多く、有効な利用方法が求められている。これまでに抽出物を稲に噴霧すると、いもち病を軽減することが分かっている。研究チームは抵抗性が高まるメカニズムの解明に取り組んだ。

 乾燥したシイタケとブナシメジの廃菌床100グラムに、蒸留水1リットルを加えて120度で15分間熱処理した。処理でできた熱水抽出物を水稲「日本晴」の幼苗に噴霧し、2日後にいもち病菌を接種。分析装置で抗菌物質のファイトアレキシンや植物ホルモンの量を調べた。

 分析では、いずれもファイトアレキシンのモミラクトンAとB、オリザレキシンA、サクラネチンの蓄積を確認。特にモミラクトンAが高濃度で蓄積され、噴霧後72時間に最大となった。葉のいもち病の感染程度は同程度だが、ファイトアレキシンの蓄積量はシイタケよりブナシメジの方が2倍多かった。植物ホルモンのイソペンテニルアデニンの蓄積量は、無処理の水稲と比べて約100倍になった。

 廃菌床抽出物の処理で稲の防御機能が引き起こされ、病害の抵抗性を高めることが分かった。同大学農学部の石原亨教授は「廃菌床を利用できれば、きのこと水稲双方の生産者のメリットになる」と期待。抽出物を分析し、抵抗性を誘導する成分の特定を目指していく。

日本農業新聞



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