ダイハツ、鉄系部品試作用の砂型 3Dプリンターで製作 久留米に技術導入(日刊工業新聞電子版)



■アルカリ性人工砂に特殊コーティング

 ダイハツ工業は鉄系部品試作用の砂型を3Dプリンターで製作する新技術を開発し、久留米工場(福岡県久留米市)に導入した。同プリンターでの砂型製作は従来、アルミや銅系部品用のみだった。自動車などは鉄系部品も多い。アルミ部品が早くできても、従来は鉄系待ちという試作工程の課題があった。新技術でタイムラグが解消され、試作期間、コストが大幅低減できる。高田和樹技術企画室主任は「産業界に有効な技術」と普及を狙う。

 自動車は燃費性能向上に向けた軽量化目的でアルミ鋳造品の採用が進むも、まだまだ鉄系部品は多い。建設機械や農業機械なども鉄系部品は多く、鋳造市場の約7割は鉄系という。

 ダイハツ工業は2013年に砂型造形用3Dプリンターを導入した。それまでの鋳造部品試作は木型を1カ月程度かけて製作し、その上で砂型をつくっていた。部品によっては複数の精密木型が必要で、高い技術も要る。同社はアルミ試作部品の砂型製作を同プリンターに替え、製作期間は5日程度に短縮、コストは10分の1に抑えた。

 だが、同プリンターの砂型材料だった天然珪砂(けいしゃ)はシリカが主原料で熱膨張率が高い。高溶融温度の金属を流すと砂型にひびが入って不良原因となり、融点が1000度C超の鉄系素材には使えなかった。

 天然珪砂は酸性で、砂型を常温で高速硬化する「フラン自硬性プロセス」と呼ぶ造形手法と相性が良い。ダイハツは熱膨張率が低く、同手法を使える砂を樹脂メーカーらと共同研究。アルカリ性の人工砂に特殊コーティングを2層施し、表面を酸性化した3Dプリンター対応の砂を開発。鋳鉄や鋳鋼などの鉄系部品の砂型製作を可能にした。人工砂はリサイクル性も優れ、天然珪砂と比べて廃棄物を減らせるのも利点だ。

 鉄系部品試作用砂型は、アルミ試作部品の砂型製作を木型から同プリンターに替えた時と同様の製作期間短縮、コスト削減効果が得られた。農機や建機などでもニーズがある。砂型販売、技術供与なども始めており、「多様な業界で使ってほしい」と高田主任は話す。

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