虫歯の人が妄信してしまう危険な歯科医5例(東洋経済オンライン)



 「悪質な歯医者は、ごく一部。それをマスコミが強調するので、患者に不信感が広まってしまった」

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 歯科治療の問題点を報道すると、関係者からこんな〝逆批判〟が返ってくるが、本当に一部の問題なのか、私は疑問を抱いている。

拙著『やってはいけない歯科治療』で、モラルを疑うような歯科治療の実態をレポートしたところ、全国の患者から深刻なトラブルの相談が次々と寄せられてきた。「もっと早く本を出してくれたら、歯を失わずにすんだ」という悲痛な声もある。

 そこで今回は、歯を守るために、知っておくべき5つの実例をお伝えしたい。

■case.1 「画期的な◯◯式治療法」の正体

 画期的な虫歯治療と称するものが、いくつか存在する。その一つは、「虫歯の穴に薬剤を詰めて封鎖、1年以上かけて除菌しながら、自然治癒力で治してしまう」というもの。これを推し進める中心的な歯医者は「名医」としてテレビで紹介され、本はベストセラーになった。

 ただし、有効性が確立されている治療法は、保険適用になるのが一般的。なのに、これらの画期的治療法とされるものは自費診療で、決して安くはない費用がかかる。実施している歯医者も、ごくわずかしかいない。

 普及しない理由について、中心的な歯医者は、こう主張している。

 ”虫歯が自然に治ったら、患者以外に誰の利益にもならないので、広まらないように圧力がかかった”

 だが、現実は、この画期的治療法が不成功に終わり、後始末を引き受けている歯医者が少なくない。

 こうした独自の治療法は「○○式治療法」というように、発案者である歯医者の名前を冠することが多い。現行法では、正式な臨床試験で有効性が確認されていない治療法でも、歯医者の判断で行うことが容認されているので、注意していただきたい。

 抜歯原因の1位である歯周病でも、科学的な根拠のない独自の治療法を打ち出す歯医者がいる。たとえば、これもその一つ。

 「歯茎マッサージで、歯周病菌を取り除ける」

 歯茎(歯肉)をマッサージして血行を良くすると、免疫力も高まり、歯周病が治るという理屈らしい。こんなに簡単なら、なぜ広まらないのか? 

 歯周病治療の第一人者・弘岡秀明氏(スウェーデン・デンタルセンター院長)は、次のように解説する。

 「マッサージされた歯肉は、一見すると引き締まって見えるので、健康になったと“錯覚”するのです。歯周病は感染症ですから、原因となっているバイオフィルム(細菌のかたまり)などの除去が必要です。歯肉マッサージで歯周病が治るということは、あり得ません」

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