あの首長竜を50年前に高校生が発見した必然(東洋経済オンライン)



8/13(月) 11:00配信

東洋経済オンライン

福島県いわき市でフタバスズキリュウの化石が発見されてから今年で50年になる。発見したのは、当時高校2年生だった鈴木直氏だ。そして、このフタバスズキリュウを研究し、新属新種としての名付け親になったのが佐藤たまきさん。2人の恐竜対談をお届けする(本記事は『フタバスズキリュウ もうひとつの物語』(ブックマン社)に収録されている対談を編集し直したものです)。

この記事の写真を見る

■「鈴木少年」との出会い

 佐藤:フタバスズキリュウの記載論文を出版した後に記念講演などで何度かお会いしましたが、それ以来でしょうか。

 鈴木:そうかもしれません。論文が出たのは2006年5月でしたよね。最初にお会いしたのはいつでしたかねえ……。

 佐藤:私にとっての最初はこれ(小学館『学習百科事典』)です。ここに子どものころの愛読書を持ってきました。フタバスズキリュウの項目に「鈴木くん」が出てきます。私は、おそらくこうした本を通じて鈴木さんを知ったんだと思います。

 鈴木:そうでしたか。

 佐藤:実際にお会いしたのは、卒業研究をやっていた1994年の夏前後ではないでしょうか。卒論の参考にするために、当時、鈴木さんが職員をされていたいわき市の石炭・化石館に展示されていた標本を測らせていただきました。お名前を聞いて「わあ!  フタバスズキリュウの鈴木さんだ!」とすごく驚いたのを覚えています。

 鈴木:思い出しました。女性の若い学生さんが「古脊椎動物学を研究する古生物学者を志している」と話すのを聞いて、すごく素敵だなあと思いましたよ。当時の日本ではあまり聞いたことがなかったですから。

 佐藤:確かに古生物学、特に古脊椎動物をやる女性はほとんどいませんでしたね。

 鈴木:私がこの世界に興味を持った1960年代後半は、女性に限らず、日本で古脊椎動物を研究している方はごく少数でした。限られた方々が支えてきた世界だったんです。

 佐藤:そんななかで、高校生だった鈴木さんはフタバスズキリュウを発見したんですね。

 鈴木:中学生のころ、『あぶくま山地東縁のおい立ち』という地元の地質について書かれた本を読んだんです。石炭を採掘するための炭田調査に来られた徳永重康先生が、この地層を「双葉層」と名づけたこともこの本で知りました。

 この調査で首長竜や魚竜の歯とされる化石が出たと書かれていて、それがなんと、私の叔母さんの家のすぐ近くだったんです。毎年、夏休みに泊りがけで遊んでいた川のそば。それからは化石を採ったり、地質学の専門誌を読んだりするマニアックな高校生になりました。

【関連記事】

Related Post



コメントを残す