ベーゼンドルファーのピアノは何が違うのか(東洋経済オンライン)



7/22(日) 8:00配信

東洋経済オンライン

 「世界3大ピアノ・ブランド」という言葉がある。その内訳は、スタインウェイ(アメリカ/ドイツ)、ベヒシュタイン(ドイツ)、そしてベーゼンドルファー(オーストリア)の3ブランドを指すのが一般的だ。

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 そこにブリュトナー(ドイツ)を加えて「4大ピアノ・ブランド」という見方もあるようだが、これは少し無理があるように感じられる。

 そもそもなにをもっての「3大ピアノ・ブランド」なのだろう。現在の販売シェアから言えば日本のヤマハやカワイが入っていてもおかしくないのだが、どうやら過去にどれだけすばらしいピアニストたちに愛された楽器であるかということが根拠となっての「3大ピアノ・ブランド」であるようだ。

■リストが愛した名器の誕生

 さて、ここで注目したいのがオーストリアの名器ベーゼンドルファーだ。“音楽の都ウィーン”で1828年に設立されたベーゼンドルファーは、ウィーンに集まる数多くの音楽家たちからの助言によって改良を重ね、「ウィンナートーン」と呼ばれる美しい音色を創り上げていく。その音楽家たちの筆頭に挙げられるのが、伝説のピアニストにして作曲家のフランツ・リストだった。

 圧倒的な超絶技巧と華麗なショーマンシップによってヨーロッパ中を席巻していたリストは、ピアノに対する要求も多く、音色のすばらしさもさることながら、リストの激しい演奏に対応できた唯一のピアノということで、ベーゼンドルファーの名声は一気に高まった。

 しかし、商業ベースとは無縁の丁寧な手作業によって作られるピアノの台数は極めて少なく、創業から190年という長い歴史の中で製造された総数はわずか5万台。現在も年間250台というペースで作られているというのだから驚かされる。その結果として経営状態は悪化。2007年にヤマハの子会社となることでそのブランドを保ち、現在に至っている。

 そう、つまり「世界3大ピアノ・ブランド」の1つベーゼンドルファーは、現在日本のヤマハ傘下にあるのだ。これはなにやらクルマ業界のブランド吸収合併に似ているような気がする。

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