荻生徂徠が遺した「悪魔的」ともいえる統治術(東洋経済オンライン)



5/18(金) 13:00配信

東洋経済オンライン

 江戸時代中期を生きた儒学者として知られる荻生徂徠(1666ー1728)。8代将軍・徳川吉宗の信任を得てその知恵袋として活躍した徂徠が、吉宗だけが読むことを想定し、極秘の政策提言を行った。それが4巻からなる『政談』である。

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■悪魔的ともいえる統治術

 『政談』に記されているのは、「悪魔的」ともいえる統治術だ。講談社学術文庫『荻生徂徠「政談」』(尾藤正英)によると、「出替り奉公人の取締りのこと」「浪人ならびに道心者の取締りのこと」などの項目では、現在でいうところのフリーターを取り締まることを提言している。

 また、戸籍管理を徹底することによって、居住場所についても幕府が厳密に管理するべき、としている。その内容は、現在の憲法で保障されている「基本的人権」など、歯牙にも掛けていない。

 さらに、「諸役人の才徳を見分けること」「諸役人には器量ある者を選ぶべきこと」など、実力主義による人材登用も提言をしている。

 これらの提言は吉宗への私信であり、読了後は誰の目にも触れないように焼却するように、とも書かれていた。しかし、恐れを抱いた吉宗側近は手元に留め置き、吉宗には届けなかった。

 4月に創刊した講談社まんが学術文庫(初回配本は『政談』『歎異抄』『資本論』『罪と罰』『恋愛と贅沢と資本主義』『幸福について』の6冊)のうちの1冊『政談』では、そんな徂徠から命名された人工知能コンピュータ「SORAI」がすべての政策を決める2055年の日本を描いている。

 未来社会へと画面設定をしたSF風のまんがを読むことによって、徂徠の「悪魔的ともいえる統治術」のエッセンスをサッと知ることができるという寸法だ。

 次ページ以降、フリージャーナリストの小山田毅がロックミュージシャンのマコトやリュウイチたちに徂徠のことを説明するシーンを掲載する。徂徠とは、いったいどのような人物なのだろうか。

東洋経済オンライン編集部

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