上司の「なぜできない」はイジメと変わらない(東洋経済オンライン)



IT業界出身の人事コンサルタントである小笠原隆夫氏による連載「リーダーは空気をつくれ!」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

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■能力不足を責めてしまうリーダーの弊害

 複数のメンバーが集まったチームで仕事をする中では、当然メンバーの能力に個人差があります。メンバー全員が、すべての仕事を高いレベルでこなす優秀な人ばかりということはほぼありません。いくら指導をしても、なかなか仕事が進まないメンバーがいたり、そんなメンバーには能力不足を指摘して改善を求めたりすることもあるでしょう。

 しかし、メンバーの能力不足ばかりを指摘していると、それはチームの一体感を壊して空気を悪くするだけで、チーム力が高まることはありません。優れたリーダーは、メンバーの「できないこと」や「苦手なこと」ではなく、「できること」や「得意なこと」に注目してチーム力を高めています。今回はメンバーの能力のとらえ方について考えてみます。

 メンバー指導に熱心なリーダーIさんのもとに、あるメンバーが退職意向を申し出てきました。「自分はこの仕事に向いていない」のだと言います。このメンバーは、確かに何でも要領よくこなす器用さはなく、他のメンバーに比べて仕事の覚えが遅いところもありますが、Iさん自身はこのメンバーを熱心に指導してきた自負があり、仕事もそれなりにこなせるようになってきたとみていました。エースになるのは難しくても、チームへの貢献は間違いなくあります。

 Iさんは、「今までのように頑張れば、十分にやっていけるだけの能力はある」「チームにとって必要だ」と説得を試みますが、このメンバーは、「追加で時間をかけて指導されることが重荷だった」「このまま頑張り続けることはできない」と言ってきます。確かにIさんは、このメンバーの能力不足を感じて、他のメンバー以上に時間をかけて熱心に指導したつもりでしたが、本人にとってはそのことが「他の人より時間がかかる」「仕事の覚えが悪い」ということを突き付けられ、“能力不足を責められている”ように感じていたのです。

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