カプコン 辻本Pに聞く 新作『モンハンワールド』は何がすごい?(日経トレンディネット)



 カプコンがPlayStation4(PS4)向けゲーム『モンスターハンター:ワールド』を2018年1月26日に発売した。待ちに待った「モンスターハンター」シリーズの最新作だ。売り上げも好調で、発売3日間の国内出荷本数は135万本(ダウンロード版除く)。全世界では発売2週間で600万本(ダウンロード版含む)出荷を記録した、まさに“モンスター”ソフトだ。

【関連画像】『モンハンワールド』ではモンスターの行動や生態をよりリアルに表現することにこだわったという

 「モンスターハンター」シリーズは、オンライン、オフラインを問わず、多人数プレーが楽しめるアクションゲーム。もちろん、1人でも楽しめる。恐竜のようなモンスターが闊歩する世界で、食材や、武具、防具の素材になるモンスターを狩るのが目的だ。

 モンスターハンターの最初のタイトルはPlayStation2で発売され、オンライン対応タイトルとして登場。PSPで発売した『モンスターハンターポータブル』は爆発的な人気になった。特に『モンスターハンターポータブル 2nd』『同2nd G』は社会現象と言えるほどヒットし、ファーストフード店でPSPを持ち寄りプレーしていた高校生が散見されたものだ。

 ナンバリングタイトルもWiiでリリースした『モンスターハンター3』を最後に、携帯機向けタイトルの発売が続いた結果、据え置き機での発売は実に8年ぶり。その間に発展した据え置き機ならではの圧倒的な処理能力とグラフィック性能で、『モンスターハンター:ワールド』では先進で最高の“狩り”が楽しめる。

 今回のヒットを受けて、プロデューサーである辻本良三氏に『モンスターハンター:ワールド』の見どころについて聞いた。

「今まで描き切れなかったものを描きたかった」

――出荷本数が世界500万本を超える大ヒットになりました(インタビュー時。2月9日時点で600万本を達成)。かなり速いペースですね。

辻本良三プロデューサー(以下辻本): 今回のタイトル『モンスターハンター:ワールド』(以下、モンハンワールド)に含まれる“ワールド”という言葉には、モンスターハンター(以下、モンハン)の世界観を体験できるようにしたいという思いと、世界で勝負できるタイトルにしたいという思いの両方がありました。だから、これだけのヒットになったのはうれしいですね。

 今回は、新規ユーザーにも入りやすくしたいと考えて、あえてナンバリングを外しています。どうしても続編タイトルって、前作プレーしていないからという理由で手を出しにくくなる面があると思うんです。だから、今回はあえてナンバリングは付けずに、コンセプトにもあった“ワールド”という言葉を思い切ってタイトル名に付けました。

 それと、「モンハン」シリーズに携わる者として、500万本超えというのは意味のある数字でした。これまでのシリーズでどうしても破れなかった数字だったんです。それが3日で突破できたのは大きいですね。

――『モンハンワールド』では「モンスターハンター」の世界観を体験できるようになったとのことですが、そこはPS4という据え置き機を使用した点も大きいのでしょうか。

辻本: 今回は今まで描き切れなかったものを描きたいという思いがあったんです。それが世界観。世代によっては「モンハン」は、ポータブルで遊ぶというイメージが強い人もいると思いますが、今回のコンセプトは“最新の技術を使ってモンスターハンターの世界を構築する”というものがありましたので、それが実現できて遊ぶ環境としてもドッシリ構えてプレーしていただける据置機をチョイスさせていただいたんです。

 シリーズを重ねるうちに、ゲームをプレーするための環境もかなり変わっています。インターネット環境が整って、オンラインで快適に遊べるようになったことはそのひとつですね。ちなみに今までのシリーズでは、アドホック通信によるオンラインプレーもできましたが、国や地域ごとにエリアを分けてプレーヤーをマッチングするようにしていました。しかし、今回は全世界の人と繋がることができます。この点でも“ワールド”といえます。

 インターネット環境が整ったことは、モンスターの動きの表現にもかかわっています。オンラインでプレーするには、できるだけタイムラグなく、それぞれのプレーヤーが見ている画面を同期させなければなりません。以前のオンラインでは、すべてを同期させるのは難しく、大型のモンスターのみの動きを同期させていたのですが、今は通信速度も通信容量も大幅にアップしているので、小型モンスターも同期させています。

 今回の主題である世界観を描くには、モンスターの行動や生態をよりリアルにする必要がありました。例えば、モンスターも狩りをしていたり、水を飲んでいたりします。しかも、フィールドはシームレスにつながっていないといけません。そんなモンスターの生態ごと楽しんでもらうためにはフィールドをシームレスにする必要があったんです。

 『モンハンワールド』のフィールドは過去作よりも広くなっていますが、制作側としては、広さよりも密度の高さを重視しているんです。以前の「モンハン」だと、クエストなどで狩るべきモンスターが住むエリアのフィールドに移動します。それぞれのフィールドのつながりがなかったですし、モンスター同士の関わりもほとんどありませんでした。今回はモンスター同士の駆け引きなどもあったりします。

 『モンハンワールド』のゲームシナリオは、新大陸に上陸し、探索していくというもの。ですから、モンスターを狩るだけでなく、さまざまなことを観察し、発見する楽しさもあります。モンスターを発見してもすぐに倒すのではなく、じっと観察して、どういう行動を取るか見ていても楽しいと思いますよ。4Kに対応していて、映像もきれいですから、細かいところまで見てほしいですね。

 ただ、フィールドがシームレスにつながったことで、ゲーム内で迷いやすいという弊害も出ました。開発者でも帰って来られなくなったりするんですよ(笑)。それを解決するために「導虫」(しるべむし)というシステムも導入しています。

 モンスターの痕跡を集めると、導虫がモンスターのいる場所やアイテムがある場所に連れていってくれます。これによって、フィールドに何があるかが分かりやすくなりました。いわば“ガイド役”ですが、「モンハン」の世界を壊さずに、かつしっかりとガイドをしてくれる存在として導虫がいるわけです。

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