不在でも玄関の中に荷物をお届け ライナフなど開始(日経トレンディネット)



 IoT製品を開発するライナフが、不在時でも食品の宅配受け取りや家事代行を受けられるサービスを2月下旬から始める。同社が開発したスマホで玄関の鍵の開閉を遠隔操作できるシステムを活用し、東京都大田区の賃貸マンション「ジニア大森西」の入居者向けに提供する。宅配サービスである生活協同組合パルシステム東京、クリーニング宅配のリネット(ホワイトプラス)、買い物代行と配達のhonestbee、家事代行サービスのタスカジ、ベアーズの5社と提携してサービスを利用できるようにする。

【関連画像】玄関のドアのほか、室内への扉にも鍵がついている。家事代行サービスなどの場合は室内への扉も開けて入ってもらう。クラウドカメラが入退室を監視

 『サービスが入ってくる家 プロジェクト』と名付け、新たな需要を開拓する。入居者は個別に各サービスと契約して、宅配や家事代行サービスなどを利用できる。例えば食品の宅配なら、不在時でも玄関の中まで荷物を届けてくれる。宅配の担当者が荷物を届けに来たときに居住者が不在なら、専用コールセンターに電話にして部屋の解錠を依頼する。オペレーターが24時間体制で待機しており、サービススタッフの本人確認をして、玄関のドアを開ける仕組み。玄関はいわゆる土間のようになっており、居室との間には錠前付きの室内扉がある。担当者は玄関先までは入れるが入居者の部屋に入る場合は、居室への鍵も解錠してもらわないと入れない。

 ライナフが開発してこれまで会議室など向けに提供してきた「NinjaLock」システムを利用する。2月下旬に竣工する「ジニア大森西」の共有エントランス部にオート解錠システムのスマートエントランス「NinjaEntrance」を設置。全36室に「NinjaLock」システムと監視用のクラウドカメラを設置する。入居者はスマートフォンの「NinjaLock」専用アプリで、自室の玄関ドアの開閉履歴を随時確認できる。

事前の鍵の受け渡しは不要

 各部屋には、サービスを利用できる設備が整っているが、利用するかはそれぞれが決めればよい。各サービスの支払いは入居者が、「NinjaLock」の使用料は管理会社が負担する。代行サービスをすでに使用している利用者にとっては、クリーニング、家事代行、宅配などを一括で申し込める点はメリットと言える。海外では、すでにアマゾンが、配達員が荷物についたバーコードで不在宅のドアを解錠できる「Amazon Key」を導入している。「自宅清掃サービスのMerry Maidsや、ペットシッターサービスのRover.comなどを含んだ「Amazon Home Services」にも対応しており、このような類似サービスへの関心が高まっていることがうかがえる。 

 これまでの家事代行システムでは、不在時にサービスを受けるには事前の鍵の受け渡しが不可欠であり、そこに心理的抵抗のある人も多い。このプロジェクトは、遠隔操作で鍵のシェア、施錠の管理、クラウドカメラによって部屋の様子を確認できるので、利用者の心理的抵抗をどこまで拭えるかが鍵となるだろう。日本でも、宅配需要は拡大の一途。不在時でも荷物の受け取りを可能にするシステムには、一定のニーズがありそうだ。今後は、既存の賃貸マンションへの導入や、家族世帯だけでなく、増加し続ける単身世帯や、共働き世帯など日中に自宅を空けることの多い世帯へアプローチを目指す。

(文/小西 麗)

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