『グランツーリスモ』に名門ザガートのコンセプトカー登場(日経トレンディネット)



イタリアの名門ブランド「ザガート」のコンセプトカーを誰もが運転できるようになるかもしれない。ただし、PlayStation 4向けのゲーム『グランツーリスモSPORT』の中で――。東京モーターショー2017のソニー・インタラクティブエンタテインメントのブースでは、ザガートがコンセプトカーを初披露。同時に、ゲーム内ではそのクルマで走行できるようにしていた。

【関連画像】『グランツーリスモSPORT』は未だ品薄状態が続くPlayStation VRにも対応している。4つの試遊台のうち、ひとつはこのPSVR環境でのプレイが可能だった

 実在のクルマを、リアルな風景の中で走らせる――そんな楽しみをゲームとして本格的に味わわせてくれた『グランツーリスモ』がソニー・コンピュータエンタテインメント(現・ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の初代PlayStation(PS)で発売されたのは、1997年のこと。今からちょうど20年前だ。

 以来、ゲーム機の進化とともに、グラフィックだけでなく、ドライブフィールなどの細部においても『グランツーリスモ』のリアリティーは向上を続け、「ドライビングシミュレーター」として高く評価されるに至っている。シリーズ初のPS4対応作品となった『グランツーリスモSPORT』では、eスポーツ向けの「スポーツモード」を搭載し、国際自動車連盟(FIA)公認で大会も開催されることで大きな話題となった。

 そんな『グランツーリスモ』は、東京モーターショーでも試遊スペースを設けていた。コックピット型のきょう体に乗り込み、ハンドルコントローラーを使った本格的な環境で、このゲームを約5分間試遊できた。

 巨大な画面を前にドライビングシートに座り、ハンドルコントローラーでプレーできるだけでなく、同作で初めて対応したVRシステム「PlayStation VR」を使った試遊台も設置。一段進化したリアリティーを十分に楽しめる内容で、モーターショーに来場したクルマ好きも引きつけていた。

20年目に発表されたコンセプトカーは?

 プレスデー初日の10月25日に同ブースを訪れたときには、ブース内左端に暗幕に覆われたクルマらしきものが設置されていた。疑問に思って質問してみたが、何が隠されているかは同日17時10分からのセレモニーまで絶対に秘密、とスタッフにはぐらかされた。

 暗幕が取り払われたのは、スタッフの言葉通り17時10分。多くのプレス関係者が詰めかけるなか、『グランツーリスモ』シリーズを手がけるポリフォニー・デジタルの山内一典プレジデントと、ザガートのアンドレア・ザガートCEO、同社でデザインを担当するVP Designの副社長・原田則彦氏がブース内ステージに上がった。

 なんと暗幕の中はイタリアの名門ブランド「ザガート」の新たなコンセプトカー「Zagato IsoRivolta Vision Gran Turismo concept(ザガート・イソリボルタ・ヴィジョン・グランツーリズモ・コンセプト)」で、『グランツーリスモSPORT』というゲームのブースで世界初披露したのだ。

 ゲームのタイトルにもなっている「グランツーリスモ」という名称は、1950年代のイタリア・ミラノで生まれたと語るアンドレア・ザガート氏。ミラノを拠点として活動するカロッツェリア、ザガートにとって、『グランツーリスモ』というタイトルはそれだけ特別な意味を持つ。これが『グランツーリスモSPORT』ブースでの披露につながったようだ。

 原田氏は、「古典的な自動車美を残そうとしている」とデザインの意図を語った。実際、Zagato IsoRivolta Vision Gran Turismo conceptは、優美な曲線の中に鋭利さが潜んだロングノーズを持つ、まさに「GTカー」といったたたずまい。最新のコンセプトカーでありながら、フェンダーが前後のボンネットやキャビンから独立したデザインは、ある意味、「オーソドックス」とも表現できるだろう。長いフロントノーズの中にはキャラウェイ製の4.5リッターV8エンジンが搭載され、最高出力は560馬力にもなる予定だという。

 約100年という歴史を誇るカロッツェリアとのコラボレーションに、「(初代『グランツーリスモ』が発売された)20年前には想像もしなかった」と山内氏は感慨深げに語った。ブースに置かれた車体はモックアップで、まだ走ることはできないが、試遊台で遊べる『グランツーリスモSPORT』はZagato IsoRivolta Vision Gran Turismo conceptのお披露目と共にアップデートされ、ゲーム内でこのクルマを選べるようになった。

 独特の造形美を持つボディーを、強烈なV8エンジンでFR駆動する感覚を味わえるのは、「リアルな操縦感」が持ち味の『グランツーリスモ』ならでは。時期は未定だが、今後のアップデートで一般ユーザーも遊べるようになることは確実だ。『グランツーリスモSPORT』ユーザーは刮目してその日を待とうではないか。

(文/稲垣宗彦)

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