食と伝統にうるさい中国人にパン食文化は根付くのか!?(日経トレンディネット)



“超芳醇もどき”や“ランチパックもどき”で急成長

 数年前にシンガポールや台湾のベーカリーチェーンが進出したこともあって、若い人たちを中心にパン食が根付いてきたようだ。そんな中、1年ほど前からスーパーやコンビニのパン売り場で、日本にあるようなデザインの商品を目にするようになってきた。

【関連画像】こちらは「サンドイッチパン(三明治面包)」。見た目はランチパックそっくりだ

 それらは桃李面包(面包はパンの意味)というメーカーが製造しているもので、同社のパンは、山崎製パンの「超芳醇」や「ランチパック」「薄皮ミニパンシリーズ」にそっくりなのだ。中国人からも「日本に旅行に行ったら桃李のパンにそっくりなパンばかりを見かけたのだが、桃李は日本のパンのニセモノなのか」といったインターネット上の書き込みがあったほどだ。

 桃李は、従来とは異なるレベルでパンを量産し、それらを中国全土に卸すことで急成長している。これまで、スーパーで売られているパンは、地元のパン工場で生産されていたため、品質は期待できなかった。ところが桃李のパンは見た目もさることながら、味も日本のオリジナルに似ていてまずくはない。桃李によって庶民的なパンの品質が底上げされ始めたと言ってもいいだろう。

街のベーカリーも急増で競争激化

 もう1つ、中国のパン事情を紹介したい。筆者が中国の複数都市を歩いてみて感じているのが、この1年足らずの間にベーカリーが急増していることだ。口コミサイト最大手「大衆点評」によると、今年1月に中国全土で58万2000店だったベーカリーの数が、4月には73万3000店まで増えたとのこと。とはいえ消費者のパンへの関心が高まったわけではないため、変わらぬ需要に対して供給だけが増え、競争が激化しているようだ。

 ベーカリーの数が最も多い広州市の地方紙「信息時報」によると、80%のベーカリーチェーンが消費者に「古くさい」と思われている一方で、高級パンが市場を拡大しているという。そうした変化に対応すべく、面包新語などの既存ベーカリーチェーンは、高級パンの販売を始めた。価格は従来のパンが1個10元(170円)程度からあるのに対し、高級なパンは1個15元(255円)程度からとなっている。食パン1斤が約300円もするのは中国の感覚ではかなり高いのだが、それでもちゃんと売れているようだ。

 同様の変化は、沿岸部、内陸にかかわらず都市部で起きているように思う。実際、いろいろな都市のショッピングモールを訪れてみても、「高級」「こだわり」をうたうベーカリーが必ずある。

 高級なパンは材料にこだわり、かつ砂糖、塩、油を控えめにした健康志向が特徴。また、それらを扱う店は内装が華やかで、若い女性客が多いという。中国人の主食といえば米や麺だが、おいしくて健康的なパンの登場でパン食がさらに広まりそうだ。

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