上海で注目の最新無人コンビニ「猩便利」には人がいる(日経トレンディネット)



無人コンビニの新星「猩便利」は商品力で勝負

 この夏ごろから電子決済を活用した無人コンビニが中国の大都市に次々と登場し、話題となっている。その中で、上海に9店舗を展開している「猩便利」は、これまでの新技術の試験的導入場所という位置付けを超えた、実用的な無人コンビニとして評価が高い。

【関連画像】無人コンビニにもかかわらず温かい食べ物をラインアップ

 以前に当連載で紹介した中国の無人コンビニの商品はパッケージされたものばかりで、無人ゆえに肉まんなどの食品は扱っていなかった。ところが猩便利は、弁当やスイーツが充実しているほか、中国では定番の肉まんやおでん、揚げ物などもある。また、広い店内には従来の無人コンビニにはなかったイートインスペースまであり、モバイルバッテリーや傘の貸し出しも行っている。

 商品の購入にはスマートフォンに専用アプリをインストールする必要があるが、店内では無料のWi-Fiが利用できるので通信費の心配は無用だ。購入する各商品は、その商品に付いているバーコードないしは2次元コードを専用アプリで読み取ると合計金額が表示される。すべての商品の読み取りが終わったら、そのまま電子決済処理へ。中国の電子決済「支付宝(アリペイ)」または「微信支付(ウィーチャットペイ)」で支払いを済ませると専用アプリに「購入完了」の2次元コードが表示され、出入口に設置されたコードリーダーにそれを読み取らせる。後は店外に出るもよし、イートインで弁当を食べ始めてもよし。

せっかちな人にも年配者にもやさしい

 猩便利は無人コンビニのカテゴリーに入るのだが、実際にはそうではなかった。購入手順を説明するためのスタッフのほか、カウンターでコーヒーや肉まんのオーダーに対応するスタッフがいるのだ。客は、店員と現金のやり取りをすることなく店を出てもいいし、スマートフォンがなければ現金で支払ってもいい。時間を節約したい人にも、ハイテクに弱い年配者にも優しいコンビニなのである。

 無人コンビニにスタッフがいるというのもおかしな話だが、猩便利の決済システムを導入するコンビニは、今後も増えていく可能性が大きい。中国ではすでに、特に庶民的な食堂や商店において猩便利と同様の決済方法が広く普及しているからだ。

 猩便利はまた、オープン記念として弁当9.9元(約170円)をはじめとするいくつかの商品をセール価格で販売した。それらのセール品を目当てに客が殺到したわけだが、購入には専用アプリが必須というのがポイントで、猩便利はまんまと顧客の囲い込みに成功したことになる。

 店舗を実際に訪れた筆者は、システム、商品、店内のどれをとっても既存のコンビニよりも洗練されているという印象を受けたのだが、それもそのはず。猩便利は、コンビニのノウハウを知り尽くした元ローソン副総裁と、実店舗とインターネットのシナジーを知り尽くした元阿里巴巴(アリババ)副総裁がタッグを組んで始めたコンビニなのだ。この最新の無人コンビニは、その将来性を見込まれて豊富な投資資金を得ており、今後さらに店舗を増やし、システムや品ぞろえを一層パワーアップしていくだろう。

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