アバター警察・VR結婚… VRChatの「カオス」な楽しさ(日経トレンディネット)



8/14(火) 11:00配信

日経トレンディネット

「VRChat」というアプリをご存じだろうか。名前からも分かるように仮想空間で音声チャットなどが楽しめるアプリで、ユーザー同士のコミュニケーションは自分のアバター(分身・化身)を通じて行う。映画『サマーウォーズ』や『レディ・プレイヤー1』の世界をほうふつとさせるが、実際はどうなっているのか? ライターの田中一成氏に潜入してもらった。

【関連画像】さまざまなアバターが自由に歩き回る

 「日本語を上達させるために、ここでよく遊んでいます」

 米国出身のブロンドヘアーの美少女。彼女が日本語でつっかえながらも、私にそう話した。しかし、声は男性だ。というのも、私たちが今話している場所は現実世界ではなく、仮想空間「VRChat」内である。つまりPCを通じてコミュニケーションしているのだ。アニメ風の美少女アバターを使用した男性ユーザーが少なくない。ご多分にもれず“彼女”もそうであった。

 VRChatは世界中のユーザーとコミュニケーションできる「ソーシャルVRサービス」だ。そのアプリはPCに無料でダウンロード可能で、そのタイトル名とは裏腹に、VR環境がなくても楽しめる。2017年2月1日にアーリーアクセス版がリリースされ、2018年2月にはユーザー数が300万人を突破した。日本ではYouTuberのVRChat動画が人気を博したことにより、認知が広がっている。

 VRChatは、まさに人間社会の縮図だ。そこでは、現実世界で起こるたあいのないコミュニケーションから社会問題までもが発生していた。今回は筆者自らプレーした体験、ユーザーに取材して得た情報からVRChatの実態にせまっていく。

アバター販売で100万円以上稼ぐユーザーがいる

 VRChatではさまざまな格好をしたアバターが存在する。ホームメニューから選べる標準アバターから、さまざまなワールド(=ユーザーの集まり、コミュニティー)内で無料取得できるオリジナルアバター、人気アニメ・ゲームのアバター(後述するが、これはVRChat内で問題になっている)など。またアバターを一から作ることも可能だ。しかし制作には、モデリングソフトを使いこなす技術と、デザインセンスが必要である。初心者にとってはハードルが高い。

 そのため、デザイン性に優れた有料アバターが販売され、それを購入する文化ができているという。8月26日にはVRChat内で3Dアバター・3Dモデルの展示会、そして販売を行う「バーチャルマーケット」も開催される。

 一般的な有料アバターの価格は1000円~数万円までと、ピンキリだ。有料アバターを販売するユーザーの中には、オーダーメードの発注を受ける者もいる。その価格は1体10万円以上になることも少なくない。このようなアバターの有料販売を通じ、100万円以上稼ぎ出すユーザーもいるというから驚きだ。

 「有料アバターは一見高額に思えるかもしれないですが、Steam、Unity(※)を使っているユーザーにとって、価値ある技術に対価を払うのは当たり前のことです。そうした背景もあって、VRChatでは独自の金銭感覚が形成されていると思います」とあるユーザーは語ってくれた。

※Steamは主にPC向けゲームのダウンロード販売と利用者同士の交流を目的としたサイト。Unityはゲームの開発を支援する統合開発環境。効率的にゲームが開発できる。

【関連記事】

Related Post



コメントを残す