イケア副社長が語る、デザインのキモとなる5つの要素(日経トレンディネット)



 「グローバルビジネスサポート 2018」のキーノートスピーチでは、イケア・ジャパン副社長のカロリーナ・ガルシア・ゴメス氏による「イケアが語る、デモクラティックデザインのグローバル戦略」と題した講演が行われた。

【関連画像】2002年に発売したじょうろの「IKEA PS 2002」を紹介する、イケア・ジャパン副社長のカロリーナ・ガルシア・ゴメス氏

 ゴメス氏は冒頭で2002年に発売した“じょうろ”の「IKEA PS 2002」をデモクラティックデザインの象徴的な製品として紹介。「今までの伝統的なじょうろにないものを開発したいと考えた」と話す。

●「持続可能性」に対するIKEAの考え

 デザイン性は重要なため、シンプルなラインで、スタイリッシュでカラフルなものを目指した。水やりだけでなく、ウォータージャグなどにも使えるなど、機能性も必要だという。手に取ったときには品質の高さが重要になり、デザイン開発においては耐久性も求められる。そこでプラスチックを採用することにしたが、「サステナビリティー(持続可能性)を考えて、リサイクルされたポリプロピレンを採用した」とゴメス氏は語る。

 サステナビリティーの面では、一度でより多くの製品を配送することで輸送コストを抑えるだけでなく、輸送時のCO2排出を抑えるため、積み重ねが可能なデザインにした。さらにもう1つ重要な点として、IKEA PS 2002は1個149円で販売しており、誰にでも手に入る低価格であること。それがデモクラティックデザインだとゴメス氏は解説した。

 ゴメス氏はデモクラティックデザインの重要な要素として「形」「機能性」「品質」「サステナビリティー」「低価格」の5つを挙げた。

 1つめの「形」においては、美しさだけでなく家庭生活を向上するものではなければならない。また、その商品とどのように情緒的なつながりを持てるかも重要になるという。

 2つめの「機能性」については、単に機能性が高いだけでなく、素晴らしいデザインによって生活を楽にするかが求められるとゴメス氏は語った。

 3つめの「品質」については、長期間美しさを保てること。壊れるのではないかと心配せずにリラックスして使えるものが信頼できる製品とのことだ。

 ゴメス氏は4つめの「サステナビリティー」について特に強調した。人々の生活を向上させるために責任を持ち、地球やそこに住む人々によりよい影響を与えるためにはどうすればいいのか。ゴメス氏は廃棄されるガラスを再度溶かして作った花瓶、再生可能な木材やリサイクルしたプラスチックで作ったイスを紹介した。

 5つめの「低価格」についても、サプライチェーンや包装などを常に見直すことで効率を上げてコストを下げ、価格を下げる努力を続けているという。

 ゴメス氏は「最も難しいのは、デザイナーもデベロッパーもエンジニアも、これらすべてを同時に実現しなければならないことだ」と語った。

(取材・文/安蔵靖志)



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