総務省の指導で「2年縛り」やMNPはどう変わる? 佐野正弘の“日本的”ケータイ論(日経トレンディネット)



2017年末から今春にかけて総務省が開催してきた有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」。その報告を受け、総務省は「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」などの改正案を公表した。大手携帯電話事業者に対する総務省の指導や要請は、モバイル市場にどんな変化をもたらすのだろうか。

【関連画像】総務省は、有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」を2017年12月から6回にわたって開催。携帯電話業界の公正な競争に向けた議論を進めた。写真は2018年4月9日の第5回会合より

●契約の解除方法やMNPについて改善を要請

 市場競争加速のための有識者会議を開催し、携帯電話業界に商習慣の改善を求め続けてきた総務省。その総務省が2017年12月末から2018年4月末にかけて開催してきた「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」では、携帯電話業界の公正な競争に向けた議論が進められてきた。

 そして6月6日、同検討会の報告を反映させる形で、総務省は携帯電話事業者大手3社に対して必要な措置を講ずるよう指導等を実施。料金プランや契約の拘束期間、番号ポータビリティーなど、多岐にわたって改善を要請した。

 総務省はまた、「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」と、「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」、そして「携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドライン」の改正案についても公表している。こちらは7月6日まで意見を公募している状況で、一般からの意見を踏まえた上で改正に当たるという。

「2年縛り」は2年ぴったりで解約可能に

 では実際のところ、一連の総務省の指導・要請は、携帯電話事業者のサービスにどのような影響を与えるのだろうか。

 1つは「利用者契約における利用期間拘束」である。「2年縛り」などの料金プランを解約する場合、無料で解約できる時期が24カ月目ではなく、25~26カ月目に設定されているのが現状だ。つまり、2年分の料金では解約できない仕組みなのである。それに対して消費者から不満が出ていたため、是正するよう指導が入ったわけだ。こちらについて総務省は、この6月末までに対応策を報告するよう携帯電話事業者に求めているほか、解約した場合の月額料金を日割計算して利用者の金銭的負担を減らすことも要請している。

 2つ目は「携帯電話番号ポータビリティー(MNP)の円滑化」である。携帯電話事業者やMVNO(仮想移動体通信事業者)から転出するためのMNP手続きの方法には、ショップ店頭、電話、そしてウェブサイトによるオンラインの3種類が存在する。だが実は、KDDI(au)とソフトバンクはフィーチャーフォンでしかオンラインの手続きができない。

 また、電話や店頭でMNPの手続きをする際に、強引に引き止められるケースが多い点も検討会で問題視されていた。そこで総務省は、フィーチャーフォン以外の端末(スマートフォンやパソコン)でもMNPの転出手続きができるよう携帯電話事業者に指導。関連する「携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドライン」の改正も視野に入れている。

 3つ目は「迷惑メールフィルタ設定」だ。大手携帯電話事業者のメールサービスには「迷惑メールフィルタ設定」が用意されているが、その判断基準を厳しくすると、大手携帯電話事業者およびそのサブブランド以外のアドレスからのメールが受信できなくなってしまうリスクも生じる。

 このフィルタ設定に悩まされているのが、独自のメールサービスを提供しているMVNOである。大手携帯電話事業者の迷惑メールフィルタ設定は、大手携帯電話事業者のユーザーがMVNOに乗り換えるのを妨げている要因の1つといわれてきた。

 これに対し総務省は、安全性が担保されるMVNOのメールアドレスが迷惑メールとして扱われないようにすることを要請している。こちらは2019年3月までの報告が求められており、携帯メール利用頻度が特に高いフィーチャーフォン利用者が、MVNOに乗り換えやすくなることが予想される。

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